
サービスの説明を、営業の担当者ごとに毎回少しずつ違う言い方でしていませんか? あるいは、お客様から同じ質問が何度も届いて、そのたびに同じ答えを返しているかもしれません。
説明動画を作るときは、「アニメにするか実写にするか」から考え始めがちですよね。でも、伝わるかどうかを決めるのは見せ方より先、「誰の、どの疑問に答える1本か」なんです。
「とりあえずサービスの全部を3分にまとめてほしい」と頼まれて、頭を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、説明動画を「見た人が迷わず次に進める1本」にするための進め方を、種類と見せ方の選び方から、構成と台本の作り方、自社で作るか外に頼むかの判断、公開したあとの置き場所まで順番にお伝えします。説明動画で問い合わせの数や対応の手間を変えた2社の実例と、そのまま使える構成テンプレも紹介しますね。
先に答え
説明動画は、疑問1つに1本で答えます。
説明動画は、見る人の疑問を1つに絞り、「答え → 仕組みや手順 → 根拠 → 次の行動」の順に組み立てると伝わる1本になります。見せ方(実写・アニメーション・スライド・画面録画)は、その疑問と、どれくらいの頻度で内容が変わるかで選び、完成後は疑問が生まれる場所に置いてください。
この記事のポイント
- 説明動画とは何か、紹介動画・解説動画との違い
- サービス・会社・操作・商品の4つの種類と、それぞれの置き場所
- 実写・アニメーション・スライド・画面録画の選び方(比較表付き)
- 伝わる構成テンプレと、聞いて分かる台本の書き方
- 自社で作る・外に頼むの比べ方と、公開後に見る数字
- 問い合わせや対応の手間を変えた2社の実例
こんな人向け
サービスや手続きの説明動画を作るよう任された、マーケや営業企画、カスタマーサクセスの担当者の方に向けて書いています。
説明動画以外も含めて、会社で作る動画の種類や発注の流れを全体から知りたい方は、先に → 企業の動画制作ガイド を読んでみてください。
目次
1.説明動画とは? 紹介動画・解説動画との違い
結論
説明動画は、相手の疑問に答える動画です。
説明動画とは、サービスの仕組みや使い方、手続きの流れなど、文字だけでは伝わりにくいことを、映像と音声で分かりやすく伝える動画のことです。見た人が「分かった、次はこうすればいいのか」と動けるようになるのが、いちばんの役割になります。
似た言葉に「紹介動画」と「解説動画」がありますよね。はっきりした決まりがある言葉ではありませんが、目的で分けて考えると、作るときに迷いにくくなります。

説明動画・紹介動画・解説動画の違い
| 比べるところ | 説明動画 | 紹介動画 | 解説動画 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 疑問を解いて、次の行動に進んでもらう | 存在や魅力を知ってもらう | テーマへの理解を深めてもらう |
| 見る人の状態 | 検討中・使い始め・手続きの途中など、知りたいことがある | まだよく知らない | 学びたい・調べたい |
| 話す立場 | サービスや手続きを持つ当事者 | 当事者 | 第三者の立場で客観的に話すことが多い |
| 見たあとの行動の例 | 問い合わせ、申し込み、自分で手続きを終える | サイトを見る、名前を覚える | 関連する記事や資料を読む |
※分け方は考え方を分かりやすくするための目安です。1本の動画に複数の役割が混ざることもあります。
紹介動画が「お店の看板」だとすると、説明動画は「店員さんの丁寧な案内」に近いものです。看板は遠くから目に入ることが大事で、案内は、お客様が知りたいことに正確に答えることが大事なんです。
説明動画が向いていること・向いていないこと
説明動画が得意なのは、順番がある手順、目に見えない仕組み、動きや使う様子のように、文章で読むと頭の中で組み立て直す必要があるものです。反対に、料金表や規約、仕様の細かい違いのように「見比べたい」「読み返したい」情報は、表や文章のほうが親切でしょう。
どの情報を動画にし、どれを文字に任せるかの考え方は、→ 動画マーケティングとは の「動画が得意なこと・苦手なこと」でも詳しく整理しています。
2.説明動画の種類:何を説明するかで4つに分かれる
結論
種類は、何を説明するかで選びます。
説明動画は、何を説明するかで「サービス説明」「会社説明」「操作説明」「商品説明」の4つに分けると整理しやすくなります。種類が変わると、見る人・置き場所・ちょうどいい長さも変わるんです。
ここで先に種類を決めておかないと、「サービスの紹介と使い方と会社の歴史を全部入れた10分の大作」が生まれてしまいます。見る側にとっては、駅の案内板に周辺の観光ガイドまで書いてあるようなもので、肝心の出口が見つかりません。
4つの種類と、向いている場面
| 種類 | 主に見る人 | 答える疑問の例 | 主な置き場所 | 長さの目安 |
|---|---|---|---|---|
| サービス説明動画 | 比べている検討中の人、商談相手 | 何ができて、うちの困りごとがどう解決するのか | サービスページ、商談の前後のメール、展示会 | 1〜3分ほど |
| 会社説明動画 | 新しい取引先、商談相手の上司 | どんな事業をしていて、何が強みの会社なのか | 会社案内ページ、商談の冒頭、営業資料 | 2〜4分ほど |
| 操作説明動画 | 使い始めたお客様、手続き中の人 | この画面で、次に何をすればいいのか | ヘルプページ、手続き画面、登録後のメール | 1つの操作で1〜2分ほど |
| 商品説明動画 | 購入を考えている人 | どう使えて、自分に合うのか | 商品ページ、店頭 | 1〜2分ほど |
※長さは考え方を分かりやすくするための目安で、内容によって変わります。
サービス説明動画
この記事で中心に扱うのが、サービス説明動画です。BtoBのサービスやクラウドサービスのように、形がなく仕組みが見えにくいものほど、動画で「使うとこうなる」を見せる効果が大きくなります。営業担当者ごとの説明のばらつきを減らせるのも、うれしい点ですよね。
会社説明動画
会社説明動画は、ここでは取引先やお客様に向けて「何をしている会社で、何が強みか」を説明する動画として扱います。採用説明会で流す動画や、会社の雰囲気を伝える会社紹介動画とは、見る人も伝えることも変わるため、この記事では深くは触れませんね。
会社の雰囲気や強みを伝える会社紹介動画の構成と長さの決め方は、会社紹介動画の作り方にまとめています。
操作説明動画
操作説明動画は、サービスを使い始めたお客様や、手続きの途中で手が止まった人に向けた動画です。この記事では、社外のお客様向けに絞ってお話ししますね。社員向けの研修やマニュアルとしての動画は、覚えてもらう順番や更新の仕方が変わるので、別に考えたほうがうまくいきます。
社員向けの研修動画の作り方や、長さと費用の目安は、研修動画の作り方でくわしく紹介しています。
商品説明動画
商品説明動画は、形のある商品の使い方や選び方を伝える動画です。作り方の基本はサービス説明と同じなので、この記事の構成テンプレや台本の書き方をそのまま使えますよ。
商品ページや店頭、SNSに置く商品紹介動画を自分で作る手順や、15秒・60秒・3分の構成テンプレは、商品紹介動画の作り方で詳しく解説しています。
3.作る前に決めること:見る人の「1つの疑問」と見たあとの行動
結論
撮る前に、疑問と行動を1つに絞ります。
作り始める前に、「誰が」「どの場面で」「どんな疑問を持ち」「見たあと何をしてほしいか」の4つを、それぞれ1つずつ決めてください。この4つが1行で言えれば、構成も台本も、ほとんど迷わずに書けるようになります。
説明動画づくりで一番多いつまずきは、「伝えたいこと」から考え始めてしまうことなんです。会社が伝えたいことは、だいたい10個くらいありますよね。でも、見る人がその場で知りたいことは、たいてい1つだけです。

疑問の見つけ方
疑問は、会議室で考えるより、お客様と話している人に聞くほうが早く見つかります。次の3つから拾ってみてください。
- 営業やサポートの担当者に聞く:「最近、同じ説明を何回もしたことは何ですか?」と聞くと、動画にすべき疑問がすぐに出てきます
- 問い合わせの記録を見る:メールやチャット、電話の記録で、件数の多い質問を上から並べます
- 商談で止まる場面を探す:「社内で検討します」と言われたあと、相手が社内で説明しにくそうなことは何かを考えます
「1行の設計図」を書く
決めた4つは、次のような1行にまとめておくと、社内でも外の制作会社とも話が早くなります。
| 誰が | どの場面で | どんな疑問を持ち | 見たあと何をしてほしいか |
|---|---|---|---|
| 他社と比べている情報システム担当者 | サービスページを見ているとき | 今使っているシステムとつないで使えるのか | 相談のフォームに進む |
| 使い始めたばかりのお客様 | 最初の設定画面で手が止まったとき | 何から設定すればいいのか | 最初の設定を自分で終える |
| 商談相手の部長 | 担当者から社内で共有されたとき | 何が変わって、どんな手間が減るのか | 次の打ち合わせに出てくる |
※組み合わせは考え方を分かりやすくするための例です。
ただし、疑問が2つ以上どうしても外せない場合は、1本に詰め込まず、動画を分けてください。1本ずつが短くなるほど、見る人は自分に必要な1本を選びやすくなります。
4.表現の選び方:実写・アニメーション・スライド・画面録画
結論
見せ方は、疑問と更新の頻度で選びます。
説明動画の見せ方は、主に「実写」「アニメーション」「スライド+ナレーション」「画面録画」の4つです。答えたい疑問が「人や物の様子」なのか「目に見えない仕組み」なのか「画面の操作」なのか、そして内容がどれくらいの頻度で変わるのかで選ぶと、作ったあとに後悔しにくくなります。
見せ方の相談で意外と見落とされるのが、「あとから直せるか」という点なんです。料金や画面の見た目が半年ごとに変わるサービスで、作り込んだ実写を撮ってしまうと、直すたびに撮り直しになってしまいます。壁紙を替えたいだけなのに、家を建て直すようなものですよね。
4つの見せ方の比較
| 見せ方 | 向いている疑問 | 社内で作れるか | あとからの直しやすさ | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 実写 | 人の対応、物の動き、現場の様子 | 短いものなら作れる。品質を求めるなら外に頼むことが多い | 低い(撮り直しが必要になりやすい) | 出演者の予定や撮影場所の確保が必要 |
| アニメーション | 目に見えない仕組み、サービス全体の流れ | 簡単なものなら作れる。作り込むなら外に頼むことが多い | 中くらい(絵の差し替えで直せることが多い) | 絵柄が会社の雰囲気と合っているか |
| スライド+ナレーション | 考え方や比べ方、手順の全体像 | 作れる(今ある資料から作りやすい) | 高い(スライドを直せば作り直せる) | 文字を詰め込みすぎない |
| 画面録画 | ソフトやサイトの操作、手続きの手順 | 作れる | 高い(変わった画面だけ録り直せる) | 個人情報や社内の画面を映さない |
※比べ方は考え方を分かりやすくするための目安です。
1本の中で組み合わせることもよくあります。たとえば、冒頭の「こんなことで困っていませんか」は実写やアニメーションで見せ、操作の部分は画面録画で見せる、という形ですね。
迷ったときの決め方
迷ったときは、「この内容は1年後も同じか」を考えてみてください。1年後も変わらない会社の強みや考え方なら、作り込んだ実写やアニメーションにする価値があります。半年ごとに変わる料金や画面の説明なら、スライドや画面録画にして、変わったときにすぐ直せる形にしておくのがおすすめですよ。
アニメーションの見せ方には、イラストを動かすもの、図形や文字を動かすもの、手書き風のものなどいろいろな種類があります。ここでは選び方の1つとして触れるだけにしておきますね。
5.伝わる構成の作り方(構成テンプレ付き)
結論
構成は、答えを先に置きます。
説明動画は、「つかみ → 答え → 仕組みや手順 → 根拠 → 次の行動」の5つのまとまりで組むと、途中で見るのをやめた人にも要点が届きます。最初の数秒で「この動画は自分のための動画だ」と分かってもらうことが、何より大事なんです。
会社の歴史やロゴのアニメーションから始まる説明動画は、見る人の疑問に答えるまでに時間がかかってしまいます。結婚式のスピーチなら前置きも味わいのうちですけど、説明動画では、見る人はたいてい答えを急いでいますよね。

構成テンプレ(サービス説明動画・約2分の例)
| まとまり | ねらい | 入れること | 台本の例 |
|---|---|---|---|
| 1. つかみ | 自分のための動画だと分かってもらう | 見る人の困りごとを、相手の言葉で1つだけ | 「月末になると、請求書の確認だけで1日が終わっていませんか?」 |
| 2. 答え | 結論を先に渡す | このサービスで何が変わるかを1文で | 「このサービスを使うと、確認の作業をほぼ自動にできます。」 |
| 3. 仕組みや手順 | 「どうやって?」に答える | 使う流れを3つほどの段階で | 「取り込む、照らし合わせる、確認するの3つで進みます。」 |
| 4. 根拠 | 「本当に?」に答える | 使っている会社の声、数字、画面の実物 | 「実際の画面で、照らし合わせの結果を見てみましょう。」 |
| 5. 次の行動 | 何をすればいいかを1つだけ示す | 相談、資料請求、試用の申し込みのどれか1つ | 「自社の請求書で試せる方法は、この下のページで案内しています。」 |
※台本の例は、構成を分かりやすくするための架空のサービスです。
種類ごとの構成の変え方
- 会社説明動画:「3. 仕組みや手順」を「事業の全体像(誰に、何を、どう届けているか)」に、「4. 根拠」を「強みを示す事実(取引の分野、設備、続けてきた年数など)」に置き換えます
- 操作説明動画:「1. つかみ」を「この動画で終わる操作(例:最初の設定)」に変え、「2. 答え」で完成した状態を先に見せてから、手順に入ります。根拠のまとまりは省いてかまいません
- 商品説明動画:「3. 仕組みや手順」で使う様子を見せ、「4. 根拠」で選ばれている理由や使う人の声を入れます
見る人の疑問は「次の疑問」も想像する
1つの答えを聞くと、人は次の疑問を持ちます。「何ができるか」が分かったら「難しくないか」、「難しくない」と分かったら「いくらか」、という具合ですね。構成を作ったら、見る人の立場で最初から通して読み、「次に何を聞きたくなるか」を書き出してみてください。その疑問に答える場所が、動画の中か、動画の下のページか、次の1本かを決めておくと、見る人が途中で迷子になりません。
6.台本とナレーションの書き方(読む原稿ではなく、聞く原稿)
結論
台本は、耳で聞いて分かる文で書きます。
説明動画の台本は、読み物の文章ではなく、耳で1回聞いて分かる文で書いてください。1文を短くし、画面に映るものと話す言葉を合わせるだけで、分かりやすさは大きく変わります。
YouTubeに載せる動画の台本を、全文・要点・質問リストの3つの書き方から選ぶ方法は、YouTube台本の作り方でくわしく解説しています。
資料の文章をそのままナレーションにすると、どうしても聞き取りにくくなるんです。目で読むときは前に戻れますが、耳で聞くときは戻れないからです。

台本を書くときの5つのコツ
- 1文に伝えることは1つ:「〜で、〜なので、〜ですが」と続けず、文を切ります
- 画面と言葉を合わせる:「こちらのボタンを押します」と言うときは、そのボタンが画面に映っているようにします。台本の横に「画面に映すもの」の列を作っておくと、ずれません
- 言葉をそろえる:同じものを「申込画面」「登録ページ」「フォーム」と言い換えると、見る人は別のものだと思ってしまいます。1つの呼び方に決めてください
- 専門用語は言い換えるか、一言で説明する:社内で毎日使っている言葉ほど、お客様には通じていないことがあります
- 数字は少なく、ゆっくり:耳で聞いて覚えられる数字は多くありません。大事な数字だけを残し、画面にも文字で出します
台本の長さは、話す速さから逆算する
ナレーションの長さは、話す速さから考えると決めやすくなります。一般に、聞き取りやすい話し方は1分あたり300字前後がひとつの目安と言われています。説明動画では、画面を見る時間も必要なので、それより少し少なめにしておくと、見る人が置いていかれません。
台本を書き終えたら、声に出して読み、時間を計ってみてください。書いたときは2分のつもりでも、読んでみると3分を超えていた、というのはよくあることです。……と言いつつ、筆者も自分の原稿を読み上げるたびに、思ったより長くて驚いているのですが。
テロップと字幕は「音なし」で見られる前提で
説明動画は、オフィスや電車の中など、音を出せない場所で見られることも多いものです。ナレーションの要点はテロップで画面に出し、大事な操作や数字は文字でも確認できるようにしておきましょう。全文の字幕を付けておくと、音を出せない人にも、耳の聞こえにくい人にも内容が届きます。
7.自社で作るか、外に頼むか:作り方3つの比較
結論
頼む範囲は、更新頻度と品質で決めます。
説明動画の作り方は、大きく「社内でスライドや画面録画から作る」「社内で撮影・編集する」「外の制作会社に頼む」の3つです。内容がよく変わるものは社内で、長く使う顔になる1本は外の力を借りて、と分けると、手間と仕上がりのバランスが取りやすくなるでしょう。
どの作り方でも、「見る人の疑問」と「見たあとの行動」を決めるのは社内の仕事です。お客様の疑問を一番よく知っているのは、毎日お客様と話している社内の担当者だからなんです。

作り方3つの比較
| 作り方 | 向いている動画 | 社内の手間 | 費用の決まり方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 社内でスライド・画面録画から作る | 操作説明、よく内容が変わるサービス説明 | 台本づくりと録画・録音に時間がかかる | 主に社内の人の時間と、録画や編集のツール代 | 見た目が単調になりやすい。音声の聞き取りやすさを確認する |
| 社内で撮影・編集する | 短い実写の説明、社内で本数を多く作りたいもの | 撮影の準備と編集に一番時間がかかる | 機材やツールの用意と、社内の人の時間 | 担当者が異動すると続かなくなりやすい |
| 外の制作会社に頼む | 長く使うサービス説明、会社説明、アニメーション | 最初のすり合わせと確認の時間が中心 | 企画・台本・撮影や絵づくり・ナレーション・編集の量で決まる | 目的と見る人を最初に伝えないと、きれいだけれど伝わらない1本になる |
※比べ方は考え方を分かりやすくするための目安です。
外に頼む場合の金額は、撮影の日数、アニメーションの作り込み、ナレーションをプロに頼むか、何本作るかなどで大きく変わります。見積もりの内訳の考え方は、→ 動画制作の費用相場 で詳しく説明しています。どんな会社に頼むかで迷ったら、→ 動画制作会社の選び方 も参考にしてみてください。
外に頼むときに渡すもの
- 第3章で書いた「1行の設計図」(誰が・どの場面で・どんな疑問を持ち・見たあと何をしてほしいか)
- 置き場所と、必要な長さや画面の縦横
- 今使っている営業資料や、よくある質問の一覧
- 映してはいけないもの(お客様の情報、社内の画面など)と、社内の確認の流れ
制作の進め方の流れ
社内で作る場合も、外に頼む場合も、進め方の流れは同じです。「1行の設計図を決める → 構成を作る → 台本を書く → 素材を用意する(撮影・録画・絵づくり) → 編集する → 社外の人の目で確認する → 公開する」の順に進めてください。完成前の確認は、そのサービスをよく知らない人に見てもらうのがコツです。社内の詳しい人だけで確認すると、「分かって当然」の部分を誰も指摘できないからです。全員が答えを知っているクイズ大会のようなもので、誰も引っかかりません。
説明動画を1本で終わらせず、YouTubeで続けて発信しながら問い合わせにつなげたい場合は、撮影や編集だけでなく、企画や公開後の改善まで任せる形もあります。続けて任せるときの範囲や費用の考え方は、→ YouTube運用代行の費用と選び方 にまとめていますので、あわせて見てみてください。
8.公開後の置き場所と、見る数字
結論
置き場所は、疑問が生まれる場所です。
説明動画は、見る人がその疑問を持つ場所に置いてください。サービスページ、商談の前後のメール、手続きの画面、ヘルプページなど、疑問が生まれる場所ごとに置き方と見る数字を決めておくと、動画がきちんと働いているかが分かります。
せっかく作った説明動画が、YouTubeのチャンネルにだけ置かれていて、肝心のサービスページには載っていない、というのはよくある話です。料理番組で作った料理を、店のメニューに載せ忘れているようなものかもしれません。

置き場所ごとの使い方と、見る数字
| 置き場所 | 向いている種類 | 使い方のコツ | 見る数字の例 |
|---|---|---|---|
| サービスページ・会社案内ページ | サービス説明、会社説明 | ページの上のほうに置き、動画の下に要点を文字でもまとめる | ページから相談や資料請求に進んだ数 |
| 商談の前後のメール | サービス説明、会社説明 | 商談の前は「当日の前に2分だけ」、商談のあとは「社内で共有するときに」と添える | 次の打ち合わせに進んだ数 |
| 展示会のブース | サービス説明、商品説明 | 音なしでも分かるようにテロップを大きくし、短い版を繰り返し流す | 名刺交換や相談の数 |
| 手続きの画面・ヘルプページ | 操作説明 | つまずきやすい画面のすぐそばに、その操作だけの動画を置く | その操作についての問い合わせの数 |
| YouTube | 4種類すべて | 動画の題名を、見る人が検索する疑問の言葉にする。説明欄の最初に、サービスページへの案内を1つだけ入れる | 動画から自社サイトに来た数 |
※見る数字は考え方を分かりやすくするための例です。
再生回数だけで判断しない
説明動画は、再生回数の多さより「見たあと、見る人が次に進めたか」で判断してください。操作説明の動画なら、再生回数が増えて、その操作の問い合わせが減っていれば、動画が働いているということです。商談で送る動画は、再生回数が少なくても、次の打ち合わせにつながっていれば十分に役目を果たしています。
YouTubeに置いた説明動画から問い合わせまでの道筋を作りたい方は、→ YouTube集客のやり方 も参考にしてみてください。
説明動画を見た人に、相談まで進んでもらいたい方へ
置き場所が決まると、次は見た人に相談や資料請求まで進んでもらう流れを整えたくなりますよね。動画からサイト、相談までの流れの整え方をまとめた無料資料「企業YouTubeで集客する方法」(全28ページ)を、資料のページで公開しています。
- 見た人が相談を決めるまでの流れを、順番に確かめられます
- どこで止まっているかを見つけて、直す順番を決められます
9.実例:説明動画で問い合わせと手間を変えた2社
結論
疑問の多い場所に、短く置いています。
成果を出した会社は、説明動画を「問い合わせの多い疑問」や「営業が毎回説明していること」に絞って作り、その疑問が生まれる場所に置いています。
ここでは、説明動画を使っている2社を、公開されている導入事例から紹介しますね。手続きの説明と、サービスの説明で1社ずつです。
実例1|株式会社ペイロール(給与計算のアウトソーシング):年末調整の説明動画3本で、問い合わせを約3,000件減らした
株式会社ペイロールは、企業の給与計算などを引き受けるアウトソーシングの会社です。年末調整のWeb申告を受け付けるなかで、年に1回しか使わない手続きのため、毎年同じような問い合わせが繰り返されることが課題になっていたそうです。
- 困っていたこと:年末調整は年に1回しか使わないため、手続きの流れや操作、必要な書類について毎年多くの問い合わせが届いていました。毎年の税制の改正に関する問い合わせも増え、対応する側の負担が年々大きくなっていたと紹介されています
- 作った動画:問い合わせの多いテーマに絞り、「手続き全体の流れ」「控除証明書の撮影のしかた」「法改正の内容」の3本の説明動画を作りました
- 置いた場所:年末調整の申告画面に動画を置き、利用企業の従業員の方が、その場で疑問を解決できるようにしています。動画は、見る人が欲しい情報にたどり着きやすいように、選んで進める形で作られています
- 成果:年末調整の期間(10月1日〜1月31日)に、動画は累計243万回見られ、利用した人は約93万人、1人あたり約2.6回見られたと紹介されています。問い合わせは約3,000件減り、従業員の方と人事担当者の双方から評価を得たそうです
- 出典:動画ツール提供会社が公開した導入事例。数字は事例掲載時点のものです。出典は記事末
1人あたり約2.6回という数字からは、申告の途中で動画に戻り、確かめながら進めた人が多かったことがうかがえますよね。第8章でお話しした「つまずきやすい画面のすぐそばに置く」形のお手本と言えそうです。
ZiiiRA
問い合わせの多い疑問だけを選んで短く分け、疑問が生まれる画面に置くことがポイントになりますね。
実例2|株式会社EDAHA(業務システムの開発):3分のサービス説明動画で、問い合わせを月32件から56件に増やした
株式会社EDAHAは、フロント業務とバックオフィスをつなぐプラットフォームサービスなどを手がける会社です。クラウドサービスのような商材は説明が複雑になりがちで、担当者ごとに説明がばらつくことが、営業の大きな課題だったと代表の黒瀬啓介さんは話しています。
- 困っていたこと:サービスの説明資料は、詳しく伝えようとするほど文字が増え、かえって伝わりにくくなっていたそうです
- 作った動画:もともとPowerPointで作っていたサービスの案内資料をもとに、合成音声のナレーションを付けた「3分で分かる動画」を作りました。内容が変わったときも、すぐに直して最新の情報を届けられる点を重視しています
- 使い方:商談の始めの概要説明を動画で行ったり、アポイントのあとのお礼メールに動画のURLを添えたりしています。展示会では、ブースの壁一面に動画を映して来場者に見てもらう使い方もしているそうです
- 成果:問い合わせの件数が、月32件から56件に増えたと紹介されています。説明を動画に任せることで、商談中にお客様の反応をしっかり見ながら進められるようになった点も、効果として挙げられています
- 出典:動画ツール提供会社が公開した導入事例(代表の黒瀬啓介さんへのインタビュー)。数字は事例掲載時点のものです。出典は記事末
今ある営業資料から作っているので、第4章の「スライド+ナレーション」の良さがよく出ている例と言えるでしょう。説明を動画に任せた分、担当者がお客様の話を聞く時間に回せているのも、見逃せない効果ではないでしょうか。
ZiiiRA
サービス説明動画は、営業のばらつきを減らす道具として、商談の前後と展示会の両方で使うと効果が広がります。
2社から分かること
ペイロールは手続きの説明、EDAHAはサービスの説明と、説明する中身は違います。それでもどちらも、「毎回同じ説明をしている場面」を見つけて動画に任せ、その説明が必要になる場所に置いている点が共通しているんです。
ほかの会社が動画やYouTubeを成果につなげた例は、→ 企業YouTubeの成功事例 でも紹介しています。
10.説明動画のよくある質問
結論
疑問には、結論から答えます。
説明動画の長さは、どのくらいがいいですか?
一律の正解はなく、答える疑問1つ分の長さにするのがおすすめです。
サービス説明なら1〜3分ほど、操作説明なら1つの操作で1〜2分ほどが目安になります。それより長くなりそうなときは、疑問ごとに動画を分けたほうが、見る人は必要な1本を選びやすくなりますよ。
アニメーションと実写は、どちらがいいですか?
答えたい疑問と、内容が変わる頻度で決めるのがおすすめです。
目に見えない仕組みはアニメーション、人の対応や物の動きは実写が向いています。料金や画面がよく変わるサービスなら、スライドや画面録画のほうが直しやすく、長く使えるでしょう。
説明動画は、社内でも作れますか?
作れます。スライドにナレーションを付ける形や、画面録画なら、特別な機材がなくても始められます。
まずは営業資料のうち、毎回口で説明している1枚を選び、その部分だけ2分ほどの動画にしてみてください。作ってみると、台本と音声の聞き取りやすさがいちばん大事だと分かるはずです。
説明動画は、YouTubeにも公開したほうがいいですか?
検索で見つけてもらいたいサービス説明や操作説明なら、YouTubeにも置く価値があります。
ただし、YouTubeだけに置くのではなく、サービスページやヘルプページなど、疑問が生まれる場所にも必ず置いてください。お客様だけに見せたい操作説明は、限定公開にしてヘルプページに埋め込む方法もあります。
説明動画を作るのに、どのくらいの期間がかかりますか?
作り方と作り込みの度合いで変わります。
今ある資料をもとにスライドと画面録画で作るなら、社内でも短い期間で形にできます。外に頼んで実写やアニメーションで作る場合は、構成と台本のすり合わせ、撮影や絵づくり、確認の回数によって期間が延びるため、公開したい日から逆算して早めに相談してください。
まとめ:説明動画は「誰のどの疑問か」から作る
結論
疑問を決めてから、見せ方を選びます。
説明動画は、見る人の疑問を1つに絞り、答えを先に置く構成で作り、その疑問が生まれる場所に置きましょう。
冒頭で、伝わるかどうかを決めるのは見せ方より先、「誰の、どの疑問に答える1本か」だとお伝えしました。疑問が1つに決まれば、アニメにするか実写にするかも、何分にするかも、自然と決まっていきます。
- 作る前に、誰が・どの場面で・どんな疑問を持ち・見たあと何をしてほしいかを1行で決める
- 見せ方は、答えたい疑問と内容が変わる頻度で選び、構成は「つかみ → 答え → 仕組みや手順 → 根拠 → 次の行動」の順に組む
- 完成した動画は、サービスページや手続きの画面など疑問が生まれる場所に置き、再生回数ではなく見たあとの行動で判断する
次の1アクション
営業やサポートの担当者に「最近、同じ説明を何回もしたことは何ですか?」と聞き、出てきた疑問を1つ選んで、第3章の「1行の設計図」に書き込んでみてください。
1行の設計図ができれば、社内で作る場合も、外に頼む場合も、すぐに次の相談を始められます。
無料資料:企業YouTubeで集客する方法
説明動画を、相談につながる流れの中に置きたい方に向けた全28ページの資料です。
- 相談が増えない原因の場所を探せます
- 動画から相談までを一続きに整えられます
- 置いた動画が働いているかを数字で確かめられます
資料のページから、無料でダウンロードしていただけます。
説明動画の企画から公開後の使い方まで一緒に整理したい方は、無料相談もご利用ください。私たちZiiiRAは企業・経営者・専門家のビジネスYouTubeを、戦略設計から制作・運用まで支援しています。無理な営業や、根拠のない約束はしません。お話を伺い、難しいと判断した場合も正直にお伝えします。
支援内容はサービス紹介にまとめています。
運営会社:ZiiiRA
企業・経営者・専門家のビジネスYouTubeを、戦略設計から企画・制作、運用・改善まで支援しています。支援チャンネル数80以上、累計制作本数3,000本以上(ロング・ショート合計。公式サイト掲載の実績)。※成果は、案件・期間・市場環境によって異なります。
出典
- SPOKES「年1回の問い合わせを大幅削減。93万人が迷わない年末調整をSPOKESで実現した動画活用術」(株式会社ペイロールの導入事例) https://www.spokes-online.jp/case-studies/payroll/
- 株式会社ペイロール「年末調整補助・アウトソーシング支援」 https://service.payroll.co.jp/service/year-end-tax-adjustment/
- SPOKES「問い合わせ件数が175%に増加。動画でSaaSセールスを加速」(株式会社EDAHAの導入事例) https://www.spokes-online.jp/case-studies/edaha/
- 株式会社EDAHA 公式サイト https://edaha.co.jp/
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