NEWS / 2026.10.19

インタビュー動画の作り方|感想で終わらない質問設計と、撮影・編集・公開後の使い方【質問シート付】

更新日:2026年10月19日|ZiiiRA編集部

相談したくなる声が撮れるインタビュー動画。深いワインレッドの壁の前に、1人掛けのいすと、水のグラスを置いたサイドテーブルとフロアランプがある

インタビュー動画の作り方を、目的決め・出演者選び・質問づくり・撮影・編集・公開後の使い方の6ステップでお伝えします。撮影の構図や編集のテロップのコツ、外に頼むときの費用の考え方もあわせて紹介します。

お客様の声を動画にしようと撮影してみたら、どの答えも「よかったです」「満足しています」で、使える場面が見つからなかった、という経験はありませんか? インタビュー動画を任された方から、とてもよく聞くお悩みです。

話してくれたお客様が悪いわけではありません。「いかがでしたか?」と聞かれたら、たいていの人は「よかったです」と答えますよね。答えの中身は、聞く側の質問でほとんど決まってしまうんです。

「撮影の日程は押さえたのに、質問はまだ白紙のまま」という方も、実は多いのではないでしょうか。

インタビュー動画を「見た人が次に動きたくなる1本」にする鍵は、質問の組み立てです。この記事では、その質問づくりを軸に6つのステップを順番に進めながら、インタビュー動画を問い合わせや商談につなげた2社の実例と、そのまま使える質問シートも紹介しますね。

先に答え

質問は、行き先から逆算して組みます。

インタビュー動画は、撮る前に「誰に見せて、見たあと何をしてほしいか」を1つに決め、その答えから逆算して質問を組み立てると、感想で終わらない1本になります。質問は「きっかけ → 決め手 → 変わったこと → これから検討する人へ」の順に並べ、1つの質問に1つの答えで撮っておくと、編集でも公開後の使い回しでも困りません。

この記事のポイント

  • インタビュー動画の3つの種類と、向いている場面
  • 撮る前に決める目的と、見たあとの行き先
  • 出演者の選び方と、お願いするときに伝えること
  • 感想で終わらない質問の作り方(質問シート付き)
  • 撮影と編集のコツ(構図・音・テロップ・長さ)
  • 公開後の置き場所と、問い合わせや商談につなげた2社の実例

こんな人向け

お客様の声や、専門家・経営者のインタビュー動画を作るよう任された、マーケや広報、営業企画の担当者の方に向けて書いています。

インタビュー以外も含めて、会社で作る動画の種類や発注の流れを全体から知りたい方は、先に → 企業の動画制作ガイド を読んでみてください。

1.インタビュー動画とは? 3つの種類と、向いている場面

結論

声で伝えるのが、インタビューの強みです。

インタビュー動画とは、お客様や社員、専門家などに質問をして、その人自身の言葉で答えてもらう様子を撮った動画のことです。会社が自分で言うと宣伝に聞こえることを、第三者や当事者の声で伝えられるのが一番の強みになります。

会社が「対応が丁寧です」と言うのと、お客様が「担当の方がこちらのこだわりを分かってくれた」と話すのとでは、受け取る側の信じやすさがまるで違いますよね。

明るい会議室で、お客様の女性がインタビューに答えている様子を、手前のカメラで撮影している場面

主な3つの種類

種類 話す人 主な使いどころ
お客様の声・導入事例 商品やサービスを使ったお客様 事例ページ、商談の前後、比べている人への後押し
専門家・経営者 社長、技術者、提携先などの専門家 考え方や専門性を伝える、YouTubeでの発信
社員インタビュー(採用) 現場で働く社員 採用、社内向けの共有

この記事では、問い合わせや商談に直接つながりやすい「お客様の声」と「専門家・経営者」のインタビューを中心に扱います。社員インタビューは採用で使われることが多く、聞くことや見せ方が少し変わるため、ここでは触れる程度にとどめますね。

採用で使う社員インタビューの中身や、選考のどの場面で見てもらうかは、採用動画の効果と作り方で紹介しています。

インタビュー動画のメリット(向いていること・向いていないこと)

インタビュー動画のメリットは、人柄や信頼感、使ったあとの実感のように、文字だけでは伝わりにくいものを、話す人の声と表情ごと届けられることです。一度撮っておけば、事例ページ、商談の前後に送るメール、SNS、展示会など、置き場所を変えて何度も使えるのも強みになります。

反対に、操作の手順や料金の細かい違いを伝えたいなら、画面を映した説明動画や、表のある記事のほうが向いているでしょう。

手順や仕組みを伝える動画の作り方は、説明動画の作り方で詳しく紹介しています。

宣伝したいことを全部インタビューで言ってもらおうとすると、どうしても通販番組の「愛用者の声」のような空気になってしまいます。インタビューには「人の言葉でしか伝わらないこと」だけを任せて、仕様や価格は資料やページに任せるのがおすすめですよ。

2.撮る前に決めること:目的と「見たあとの行き先」

結論

撮る前に、3つを1つずつ決めます。

撮影の前に、「誰に見せるか」「見たあと何をしてほしいか」「どこに置くか」の3つを1つずつ決めてください。この3つが決まっていれば、話してもらう人も質問も自然に決まります。

インタビュー動画づくりで一番多いつまずきは、目的を決めないまま撮影日だけが先に決まることなんです。

目的が決まらないまま撮ると、編集の段階で「で、これは誰に見せるんでしたっけ?」と全員が顔を見合わせることになります。撮り直しはお客様にも負担をかけるので、撮影の前に少し時間をとって準備するほうが、ずっと近道です。

目的・見せる相手・行き先の組み合わせ例

目的 見せる相手 見たあとの行き先
比べている人の迷いを減らす 他社と比べている検討中の人 事例ページから問い合わせ・資料請求へ
商談で信頼してもらう 商談の相手と、その上司 商談の前後に送るメールから次回の打ち合わせへ
専門性を知ってもらう まだ会社を知らない人 YouTubeやサイトの解説から、関連する資料へ

※組み合わせは考え方を分かりやすくするための例です。

「見たあとの行き先」は1つに絞る

動画の最後に「資料請求はこちら」「お問い合わせはこちら」「SNSもフォローしてください」と3つ並べると、見た人はどれも選ばずに閉じてしまいがちです。行き先は1つに決めて、動画の最後と、動画を置いたページの両方で同じ案内をしておきましょう。

ただし、商談で送る動画のように、見る人がすでに担当者とつながっている場合は、行き先は「担当者への返信」で十分です。置き場所によって行き先が変わることも覚えておいてください。

3.誰に話してもらう? 出演者の選び方とお願いのしかた

結論

出演者は、見せたい相手に近い人です。

出演者は、「動画を見せたい相手と似た立場の人」から選ぶのが基本です。お願いするときは、使う場所・名前の出し方・映してよい範囲・公開前の確認の4つを、最初に紙で伝えておくと安心してもらえます。

話がうまい人より、見る人が「うちと同じだ」と思える人のほうが、動画の効き目は大きくなるものなんです。

取引先の応接スペースで、営業担当者が長年のお客様に1枚の紙を渡しながら、撮影への協力をお願いしている様子

お客様を選ぶときの3つの目安

  1. 見せたい相手と立場や悩みが近い:業種、会社の規模、困っていたことが、これから検討する人に近いお客様を選ぶ
  2. 使う前と後の違いを話せる:導入や工事から少し時間がたち、変わったことを自分の言葉で話せる
  3. 関係がよく、協力してくれそう:担当者との関係ができていて、撮影を前向きに受けてくれる

1つ目が特に大切です。いちばん大きな取引先にお願いしたくなるものですが、見せたい相手が小さな会社なら、規模の近いお客様に出てもらったほうが響くでしょう。

専門家や経営者のインタビューなら、「その人にしか話せない考え方や経験を持っているか」で選んでください。肩書きが立派でも、話す中身がほかの人と同じなら、見る人の記憶には残りにくいものです。

お願いするときに伝える4つのこと

いきなり「来週撮影させてください」とお願いするのは、初対面で引っ越しの手伝いを頼むようなものです。次の4つを1枚にまとめて、担当者から先に渡しておきましょう。

  • 使う場所:事例ページ、YouTube、商談で送る動画、展示会など、どこで使うか
  • 名前と顔の出し方:会社名・お名前・顔を出してよいか、出さない場合の見せ方
  • 映してよい範囲:社内の様子、画面、図面、ほかのお客様の情報が映らないか
  • 公開前の確認:完成前に内容を見て、直してほしいところを伝えられること

使う場所は、あとから広げると許可を取り直すことになります。「今はサイトだけでも、将来は広告に使うかもしれない」なら、その可能性も最初に伝え、承諾書などの書面で残しておくと安心です。契約や個人情報の扱いは会社ごとに決まりがあるので、法務の担当者にも一度見てもらいましょう。

4.質問と構成の作り方

結論

質問は、場面を思い出す形にします。

質問は、「きっかけ → 決め手 → 変わったこと → これから検討する人へ」の順に並べ、「いかがでしたか?」のような広い質問ではなく、場面や数字を思い出してもらう質問にすると、見た人に届く答えが返ってきます。

インタビュー動画の中身は、質問の組み立てでほとんど決まると言っても言いすぎではありません。

読者の疑問

「いかがでしたか?」と聞かれて、「よかったです」以外を返せる人はそう多くありません。筆者も聞かれたら、たぶんそう答えます。答える人を責める前に、聞き方を変えるのが先なんです。

オフィスの机で、担当者がノートにインタビューの質問を書き出している様子

質問シート(お客様の声・導入事例向け)

次の質問シートは、ZiiiRAが撮影の前に使っている考え方を、どの業種でも使える形に直したものです。会社名や商品名を入れ替えて、そのまま使ってください。

順番 ねらい 質問の例
1. きっかけ 見る人に「同じ悩みだ」と思ってもらう 当時、どんなことに一番困っていましたか? そのとき、社内ではどんな会話がありましたか?
2. 比べたこと 迷っている人の不安に先回りする ほかにどんな方法や会社を考えましたか? 決める前に、どんな心配がありましたか?
3. 決め手 選ばれる理由を、お客様の言葉で残す 最終的に決めた理由を1つ挙げるとしたら何ですか? 決めたのは、どんな場面でしたか?
4. 進めてみて 依頼したあとの流れを想像してもらう 始めてみて、思っていたのと違ったことはありますか? 担当者の対応で覚えている場面はありますか?
5. 変わったこと 効果を具体的に伝える 前と比べて、何がどのくらい変わりましたか? 社内やお客様から言われたことはありますか?
6. これから検討する人へ 見た人の背中を押す 同じことで迷っている方に、ひと言伝えるとしたら何ですか?

5番の「どのくらい」は、無理に数字を言ってもらう必要はありません。「残業が減った」「問い合わせの電話が増えた」のように、場面が浮かぶ答えなら十分伝わります。数字が出たときは、公開前の確認でお客様に数字の確認もしてもらいましょう。

専門家・経営者インタビューの質問の組み立て

専門家や経営者に話してもらう場合は、「見る人がいま困っていること」から質問を作りましょう。たとえば「〇〇で失敗する会社に共通することは何ですか?」「依頼する側が最初に確かめるべきことは何ですか?」のように、見る人の悩みに答えてもらう形です。

本人に会社の宣伝をしてもらうより、考え方や判断の基準を話してもらうほうが、結果として「この人に相談したい」と思ってもらえます。少し踏み込んで、「なぜ他社より高いのか」「断る仕事はありますか」と聞いてみるのも1つの手ですよ。こだわりがある人ほど、こうした質問にいい答えを返してくれます。

答えが広がる聞き方のコツ

  • 場面を聞く:「よかった点は?」ではなく「よかったと感じたのは、どんな場面でしたか?」
  • 「たとえば」を足す:答えが短いときは「たとえば、どんなことがありましたか?」と1回だけ重ねる
  • 答えを先に言わない:「対応が早かったですよね?」のように、言ってほしい答えを質問に入れない
  • 質問は事前に渡す:当日に驚かせるより、質問を先に渡して考えておいてもらうほうが、具体的な話が出やすくなる

最後の点は意外に思われるかもしれません。質問を先に渡すと答えが固くなりそうですが、当日は質問シートを読み上げず、会話の流れで聞けば、答えはちゃんと自然になりますよ。

5.撮影当日の進め方:構図・音・聞き手の位置

結論

撮影で大事なのは、声の録れ方です。

撮影で一番大事なのは、映像のきれいさより「声がはっきり録れているか」です。そのうえで、聞き手がカメラのすぐ横に座り、話す人がカメラの少し横を見る構図にすると、自然で見やすいインタビューになります。

映像が少し暗くても見る人は最後まで見てくれますが、声が聞き取れない動画は、すぐに閉じられてしまいますよね。

襟元に小さなマイクを付けた男性が話し、カメラのすぐ横に座った聞き手がメモを取りながら聞いているインタビュー撮影の様子

撮影の前に確かめる4つのこと

  1. 音:エアコン、換気扇、外の工事、時計の音が入らないか。話す人の襟元に小さなマイクを付けると、声がはっきり録れる
  2. 場所:背景に、ほかのお客様の情報や、映してほしくない書類・画面がないか
  3. 光:顔に窓の光が強く当たりすぎていないか。窓を背にすると顔が暗くなる
  4. 時間:話してもらう時間に加えて、準備と片付け、休憩の時間をとっているか

エアコンの音は、撮影中はまったく気にならないのに、編集で聞くと急に主役のような存在感を出してきます。撮り始める前に少しだけ録って、イヤホンで聞いてみるのがおすすめです。

必要な機材(スマホでも撮れる?)

インタビュー動画は、スマートフォンでも撮れます。機材にお金をかけるより、先に「声」と「明るさ」と「ぶれない画」の3つをそろえるほうが、見やすさは大きく変わります。

機材 役割 最初はこれで十分
カメラ 話す人を撮る スマートフォン(横向きで撮る)
マイク 声をはっきり録る 襟元に付ける小さなマイク(ピンマイク)
照明 顔を明るく見せる 窓の光を顔の正面か斜め前から当てる
三脚 画をぶらさず、高さを目線に合わせる スマートフォンを固定できる三脚

※組み合わせは考え方を分かりやすくするための例です。

スマートフォンで撮るときは、通知が鳴らないように設定し、電池と空き容量に余裕があるかを撮影前に確かめておきましょう。2台目があれば、少し引いた画を同時に撮っておくと、編集で切り替えられて便利です。照明やカメラを本格的にそろえるのは、本数が増えてきて、外に頼むか社内で続けるかを決めてからでも遅くありませんよ。

構図と目線の決め方

インタビュー動画の構図は、話す人を画面の真ん中から少し横にずらし、目線の先に空きを作るのが基本です。聞き手はカメラのすぐ横に座り、話す人には聞き手の顔を見て話してもらいます。そうすると、カメラを見つめる硬さがなく、会話をのぞいているような自然な映像になるんです。

カメラが2台あれば、顔を大きく映す画と、少し引いた画を同時に撮っておくと、編集で切り替えられて単調になりません。1台しかない場合でも、話の合間に手元や作業の様子、お店や現場の映像を撮っておけば、編集で差し込めます。

聞き手が気をつけること

  • 最初の数分は撮影と関係のない雑談をして、話す人の緊張をほぐす
  • 相づちは声を出さず、うなずきで返す(声が入ると編集で切りにくい)
  • 答えの途中で次の質問に移らず、話し終わってから、ひと呼吸おいて待つ
  • 「その話、もう一度最初から聞かせてもらえますか?」と、言い直しを頼むのを遠慮しない

話し終わってから少し待つと、本音の一言が足されることがよくあります。沈黙に耐えるのは聞き手にとって少し勇気がいりますが、ここが撮れ高の分かれ目ですよ。

6.編集のコツ:テロップ・長さ・版の作り分け

結論

編集は、知りたい順に並べ直します。

編集では、話した順ではなく「見る人が知りたい順」に並べ直し、質問を文字(テロップ)で画面に出して、1つの質問への答えだけでも意味が通るように仕上げてください。

話した順に全部つなぐと、見る人にとっては、長い会議の録音をそのまま渡されたのと同じになってしまいます。

夜のオフィスで、編集担当者がモニターに映したインタビュー映像を編集している様子

編集の進め方

  1. 全部書き起こす:録った話を文字にして、使いたい答えに印をつける
  2. 並べる順番を決める:第4章の質問シートの順を基本に、一番伝えたい答えを冒頭に短く出す
  3. 質問を文字で出す:聞き手の声を切っても、何への答えか分かるように、質問を画面に文字で入れる
  4. 話す言葉を文字にする:音を出さずに見る人も多いので、話す内容も文字で画面に入れる
  5. お客様に確認してもらう:仕上げる前に、話してくれた人に内容と数字を見てもらう

テロップの入れ方

テロップは、話した言葉をそのまま全部載せるより、「えーと」「あの」などを省いて、読みやすく整えるのが一般的です。ただし、意味が変わるほど言い換えると、本人の言葉ではなくなってしまいます。言い回しを大きく整えた場合は、第5の確認の段階で、本人に見てもらってください。

強調したい言葉に色をつけるのは、1つの画面で1か所までにしておきましょう。全部の言葉が目立つと、結局どれも目立たなくなってしまいます。

長さは置き場所で決める

版 中身 主な置き場所
本編 質問シートの1〜6をひと通り 事例ページ、YouTube
短い版 「決め手」と「変わったこと」だけ 商談の前後に送るメール、SNS
切り出し 1つの質問への答えだけ 展示会、サービスページの該当箇所

撮影のときに1つの質問に1つの答えで話してもらっていれば、短い版も切り出しも、新しく撮らずに作れます。編集を頼む場合は、どの版がいくつ必要かを最初に伝えておくと、見積もりも出しやすくなりますよ。

7.公開後の使い方:置き場所と、見たあとの案内

結論

置き場所は、比べる場と商談です。

インタビュー動画は、YouTubeに公開して終わりにせず、「比べている人が見るページ」と「商談の前後」の2か所に必ず置いてください。どちらにも、見たあとの行き先を1つだけ添えておきます。

公開して終わりにすると、せっかくの動画も、社内の誰も場所を知らない「幻の1本」になりかねません。

会議室で、営業担当者がタブレットに映したお客様のインタビュー動画を、取引先の2人に見せている商談の様子

置き場所ごとの使い方

  • 事例ページ・サービスページ:動画の下に、話の要点を文字でもまとめておく。動画を再生しない人にも内容が伝わり、検索でも見つかりやすくなる
  • 商談の前後:商談の前に「同じ業種のお客様の話です」と送っておくと、当日の話が早く進む。商談のあとは、相手が社内で説明するときの材料になる
  • YouTube:説明欄の最初に、事例ページか資料への案内を1つだけ入れる
  • 社内:営業や新しい社員にも見てもらう。お客様が何に困り、何を決め手にしたのかが、そのまま営業の勉強になる

社内で見てもらうのは、意外と効き目があります。お客様の言葉で「選ばれた理由」を知っておくと、営業の説明もぶれにくくなるんです。

動画をどこに置くかを、インタビュー以外の動画も含めて考えたい方は、→ 動画マーケティングの置き場所と使い方 で詳しく整理しています。YouTubeから問い合わせまでの道筋を作りたい方は、→ YouTube集客のやり方 も参考にしてみてください。

見る数字を1つ決めておく

インタビュー動画は、再生回数だけで良し悪しを判断しないでください。事例ページに置いたなら「ページから問い合わせに進んだ数」、商談で送ったなら「次の打ち合わせに進んだ数」のように、置き場所ごとに見る数字を1つ決めておくと、次の1本で何を直すかが見えてきます。

撮影や編集を外に頼む前に、伝える内容と条件を整理したい方へ

置き場所まで決まったら、撮影や編集を外に頼むかどうかも考えたくなりますよね。動画を外に頼む前に決めておきたいことや、見積もりで確かめる点、制作会社とのやり取りで気をつけることをまとめた無料資料「動画制作 発注前チェックリスト」(全27ページ)を、資料のページで公開しています。

  • 頼む前に社内で決めておくことを、順番に確かめられます
  • 見積もりの中身を、同じ物差しで比べられます

8.実例:インタビュー動画を問い合わせや商談につなげた2社

結論

声は、同じ悩みの人へ届けます。

成果を出した会社は、インタビュー動画を「見せたい相手と同じ悩みを持つ人」の声として撮り、公開後も問い合わせや商談の場面で使い続けています。

ここでは、インタビュー動画を集客や営業に使っている2社を、公開されている記事やプレスリリースから紹介しますね。お客様の声と、専門家インタビューで1社ずつです。

実例1|ハウジング重兵衛(千葉県成田市・リフォーム):施主インタビューで、同じ悩みを持つ人からの問い合わせにつなげた

ハウジング重兵衛は、千葉県成田市を拠点にリフォームを手がける会社です。ウェブ経由の問い合わせを増やすために、リフォームを終えたお施主様へのインタビュー動画を撮り、YouTubeに公開しているんです。

  • 聞いていること:リフォームのきっかけ、同社に決めた理由、リフォームアドバイザーや職人の印象と対応、リフォームの感想などを質問しています
  • 出てきた声:キッチンをリフォームしたお施主様は、「前回のリフォーム時に親切にしてもらったので重兵衛さんにお願いしようと思った」「担当の方が私のこだわりをすごく理解していただいてイメージ通りにリフォームできた」と話しています
  • 成果:常務取締役の菅谷龍也さんは、動画が月数件の問い合わせにつながっていると話しています。「動画に出ているお施主様と同じリフォームの悩みをお持ちの方から問い合わせをもらうケースもあります」とのことです
  • ほかの効果:実際にリフォームしたお施主様が登場するため、見る人の信頼度は高いのではないかと同社はみています。インタビューのときに、担当者がお施主様から口コミのアンケートを集められる点もメリットとして挙げられています
  • 出典:リフォーム産業新聞の記事(2021年7月19日発行号)。数字と発言は記事掲載時点のものです。出典は記事末

同社のサイトの「お客様の声」のページでは、インタビュー動画がキッチンや浴室などリフォームの種類ごとに並んでいるんです。見る人が自分と同じリフォームの声をすぐに探せる置き方になっていて、第7章の「比べている人が見るページ」に置く形のお手本と言えそうです。

ZiiiRA

質問シートの「きっかけ」と「決め手」を素直に聞き、同じ悩みを持つ人が見つけやすい場所に並べることがポイントになりますね。

実例2|プロベル(名古屋市・BtoBマッチング):専門家インタビューを提案に添えて、商談を前に進めた

株式会社プロベルは、審査を通過した企業と、外注先を探している企業をつなぐビジネスマッチングのサービスを運営している会社です。掲載しているパートナー企業のプロにインタビューした動画を、自社のYouTubeチャンネルで公開しています。

  • 始めた理由:以前はサイトやSNSなど文章中心でパートナー企業を紹介していましたが、専門性や熱量、信頼感が伝わりきらないことが課題でした。同社の取締役は「『この人なら安心して任せられる』という感覚を、もっと直感的に届けたかった」と振り返っています
  • 規模:2026年1月に、インタビュー動画の累計が100本を超えたと発表しています。動画では、ゲストに自社製品の紹介だけでなく、業界の流れや失敗しないパートナー選びのコツなどを話してもらっています
  • 使い方:以前は課題を持つお客様に文章の資料だけで提案していて、「時期尚早」「優先度が低い」といった理由で見送られることが少なくなかったそうです。提案のときにパートナー企業のインタビュー動画をあわせて送る形に変えたことで、マッチングにつながる割合が大きく上がったと紹介されています
  • ほかの効果:毎朝30分から1時間ほど行っている社内の共有の時間に、「この課題なら、あの会社を紹介しよう」という判断がしやすくなったそうです。再生回数が2桁の動画も少なくない一方で、YouTubeから直接の問い合わせも入るようになったと紹介されています
  • 撮り方:撮影の前に打ち合わせを丁寧に行い、インタビューそのものにも1時間半ほどかけています。他社との違いや価格の理由など、少し踏み込んだ質問も投げかけているそうです
  • 出典:同社のプレスリリース(2026年1月21日)と、動画制作の支援会社が公開したコラム(2026年7月21日公開、同社取締役の発言と紹介内容)。出典は記事末

再生回数が2桁でも、提案に添えたり社内で共有したりと、YouTubeの外でしっかり働いているのが分かりますね。第4章で触れた「踏み込んだ質問」を実際に取り入れている点も参考になると思います。

ZiiiRA

専門家インタビューは、YouTubeに出すだけでなく、提案や商談の材料として使うことで価値が大きくなります。

2社から分かること

ハウジング重兵衛はお客様の声、プロベルは専門家インタビューと、話す人は違います。それでもどちらも、「これから検討する人が知りたいこと」を聞き、見る人が迷っている場面に動画を置いている点が共通しているんです。

ほかの会社がYouTubeをどう使っているかは、→ 企業YouTubeの成功事例 でも紹介しています。

9.自社で撮るか、外に頼むか(発注のポイント)

結論

頼む範囲は、本数と品質で決めます。

質問づくりと出演のお願いは社内で持ち、撮影と編集は、本数と求める品質に応じて外に頼むかを決めるのがおすすめです。外に頼むときは、目的・置き場所・必要な版・確認の流れを最初に渡してください。

お客様との関係を一番よく知っているのは社内の担当者なので、出演のお願いと質問の中身は、外に任せきりにしないほうがうまくいきます。

社内と外部の分け方の目安

作業 社内で持つ 外に頼みやすい
目的・行き先を決める ◎ 相談しながら
出演のお願い・許諾 ◎ ―
質問シートづくり ◎(たたき台) 整える・足す
当日の聞き手 関係が近い人 慣れた聞き手
撮影・音・照明 少ない本数なら ◎
編集・テロップ・版の作り分け 短い版なら ◎

※分け方は考え方を分かりやすくするための目安です。

社内で撮るなら、スマートフォンと襟元に付ける小さなマイクだけでも、声がはっきりしていれば十分に使える動画になります。一方で、事例ページの顔になる1本や、お客様に何度も時間をもらえない撮影は、外の力を借りたほうが安心でしょう。

外に頼むときに渡すもの

  • 誰に見せて、見たあと何をしてほしいか(第2章で決めたこと)
  • 置き場所と、必要な版(本編・短い版・切り出し)
  • 出演者に許可をもらった使い道と、映せないもの
  • 質問シートのたたき台と、公開前の確認の流れ

インタビュー動画の費用の目安(何で変わるか)

インタビュー動画の費用は、「1本いくら」と決まっているわけではありません。撮影の日数や出演する人数、カメラの台数、編集の量、作る版の数で、金額が大きく変わります。

費用が変わる条件 金額が上がりやすい場合 抑えるには
撮影の日数・場所 複数日、複数か所で撮る 1日・1か所にまとめる
出演する人数 何人もの話を撮る 1本に出る人を絞る
カメラの台数・照明 2台以上で撮る、照明を組む 1台で撮り、手元や現場の映像で補う
編集の量 字幕を全部入れる、図や音楽を作り込む 質問シートの順に並べ、作り込みを絞る
版の数 本編のほかに短い版や切り出しを何本も作る 必要な版を最初に決めて伝える
権利の扱い 著作権を譲り受ける、ほかの用途にも使う 使い道を先に決めて伝える

※分け方は考え方を分かりやすくするための目安です。

公開されている金額の例として、仙台市が2026年度の職員採用PR動画の制作会社を募集したときの条件があります。職員5名程度のインタビューと市長のメッセージ、まちの紹介を入れた7〜8分程度の本編に、YouTube広告用の15秒版とサムネイルを付け、すべての発話に日本語の字幕を入れる内容で、委託の上限金額は2,723,000円(税込)でした(出典:仙台市「令和8年度仙台市職員採用PR動画制作業務」に係る公募型プロポーザルの実施について、同業務の仕様書)。

これは実際の契約額ではなく上限の金額で、インタビュー以外の撮影も含みます。それでも、インタビューの人数、字幕、短い版、権利の扱いまで書かれているので、「この中身でこの予算」という物差しとして参考になりますよ。

動画の種類ごとの費用の目安や、見積もりの内訳の考え方は、→ 動画制作の費用相場 で詳しく説明しています。

インタビュー動画を1本で終わらせず、YouTubeで続けて発信していきたい場合は、撮影と編集だけでなく、企画や公開後の改善まで任せる形もあります。続けて任せるときの範囲や費用の考え方は、→ YouTube運用代行の費用と選び方 にまとめていますので、あわせて見てみてください。

10.インタビュー動画のよくある質問

結論

疑問には、結論から答えます。

インタビュー動画は何分が適切ですか?

一律の正解はなく、置き場所で決めるのがおすすめです。

事例ページやYouTubeには質問をひと通り入れた本編を置き、商談で送る動画やSNSには、「決め手」と「変わったこと」だけの短い版、展示会やサービスページには1つの質問への答えだけの切り出しを使い分けると、どの場面でも見てもらいやすくなります。何分にするかより先に、どこに置くかを決めてください(第6章の「長さは置き場所で決める」の表も参考にしてください)。

出演してくれるお客様が見つかりません。どうすればいいですか?

まずは担当者との関係がよいお客様に、使う場所と確認の流れを1枚にまとめて相談してみてください。

顔を出すのが難しい場合は、声と手元だけ、または会社名を出さない形でもインタビュー動画は作れます。出演してくれた方には、完成した動画を相手の会社の発信にも使ってもらえるように提案すると、引き受けてもらいやすくなることがありますよ。

質問は事前に渡したほうがいいですか?

はい、事前に渡すのがおすすめです。

考える時間があるほうが、場面や数字の入った具体的な答えが出やすくなります。当日は質問を読み上げず、会話の流れで聞けば、答えが固くなることはほとんどありません。

社員インタビューも同じ作り方でいいですか?

質問を組み立てる順番や、撮影と編集のコツは同じように使えます。

ただし、採用で使う社員インタビューは、見せる相手が応募を考えている人になるため、聞くことや置き場所が変わります。この記事の質問シートは、お客様の声と専門家インタビュー向けに作っているんです。

撮影は自社のスマートフォンでもできますか?

できます。声がはっきり録れていれば、スマートフォンでも十分に使える動画になります。

襟元に付ける小さなマイクを用意し、静かな部屋で、窓を背にしない位置で撮るだけでも、見やすさは大きく変わりますよ。

まとめ:インタビュー動画は「何を聞くか」から作る

結論

行き先を決めてから、質問を組みます。

見せたい相手と見たあとの行き先を決めてから、質問を組み立て、公開後は比べている人が見る場所と商談の前後に置きましょう。

冒頭で、「よかったです」ばかりの答えは、話す人ではなく質問から生まれるとお伝えしました。聞く順番と聞き方を変えるだけで、同じお客様から、見た人の背中を押す言葉が返ってきます。

  • 撮る前に、見せる相手・見たあとの行き先・置き場所の3つを1つずつ決める
  • 質問は「きっかけ → 比べたこと → 決め手 → 進めてみて → 変わったこと → これから検討する人へ」の順に、場面を思い出してもらう聞き方で組み立てる
  • 1つの質問に1つの答えで撮っておき、本編・短い版・切り出しを置き場所ごとに使い分ける

次の1アクション

第4章の質問シートを開き、自社のお客様を1人思い浮かべて、6つの質問を自社向けの言葉に書き換えてみてください。

書き換えた質問シートがあれば、お客様へのお願いも、外に頼むときの相談も、すぐに始められます。

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出典

  • リフォーム産業新聞「リフォーム後の住まいで顧客をインタビュー、動画を使ってウェブ問い合わせ増」(1465号、2021年7月19日発行) https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/19861.php
  • ハウジング重兵衛「お客様の声」 https://jube.co.jp/voice
  • ハウジング重兵衛 公式YouTube https://www.youtube.com/channel/UCxxuc2YUeVYQC1V-pv7Lwxg
  • 株式会社プロベル「BtoBマッチングプラットフォーム『プロベル』、YouTube動画が100本を突破。マーケ・営業・人材など各分野のプロフェッショナルにインタビュー。」(PR TIMES、2026年1月21日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000176317.html
  • 株式会社アカシア「【お客様の声】対談動画制作で成約率向上・LLMO対策に!成果と作り方を解説【株式会社プロベル 田中様コラボ】」(2026年7月21日公開) https://acacia-web.com/column/btob-interview/
  • プロベル 公式YouTube https://www.youtube.com/channel/UCSPXVBy8_ozkRPXl0DCzw-g
  • 仙台市「【受託候補者を特定しました】「令和8年度仙台市職員採用PR動画制作業務」に係る公募型プロポーザルの実施について」(2026年3月27日更新) https://www.city.sendai.jp/ninyo/r8saiyouprdouga.html
  • 仙台市「令和8年度仙台市職員採用PR動画制作業務仕様書」 https://www.city.sendai.jp/ninyo/documents/03_r8prdouga_shiyousho.pdf

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※2026年10月時点の情報です。