
商品紹介動画と聞くと、商品をくるくる回して、きれいな音楽をのせた映像を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも実は、買う前のお客様が知りたいのは見た目の美しさより、「自分が使ったらどうなるか」のほうなんです。
「おしゃれな動画を作ったのに、商品ページの購入率は変わらなかった」という声に、心当たりはないでしょうか。
この記事では、商品紹介動画がどんな場面で見られているかを調査の数字で確かめたうえで、置き場所で選ぶ種類、自分で作るときの7つの手順と構成テンプレート、おしゃれに見せる撮り方、テンプレートやAIの使いどころ、プロに頼む目安、実例まで順番に紹介しますね。
先に答え
商品紹介動画は、買う前の迷いを1つ選んで答えます。
商品紹介動画とは、お客様が買う前に知りたい使い心地や使う場面、大きさや質感を映像で見せて、購入や問い合わせの前の迷いを減らすための動画のことです。YouTubeをよく見る779名への調査では、動画をきっかけに商品を買った人の約半数が「商品レビュー動画」で買う気持ちが強まったと答えていて、その理由には「使用したときの感想や、結果を見られるから」という声が挙がっていたんです。作る前に「誰の、どの迷いに答えるか」と「どこに置くか」を決めておくと、スマートフォンで撮った1本でも、商品ページの購入率に効きやすくなります。
この記事のポイント
- 商品紹介動画と製品紹介動画・説明動画・動画広告の違い
- 買う前にどんな動画が見られているか(調査の数字)
- 置き場所で選ぶ商品紹介動画の種類6つと、尺・画面の向きの目安(比較表)
- 自分で作るときの7つの手順と、15秒・60秒・3分の構成テンプレート
- おしゃれに見せる撮り方、テンプレート・AIの使いどころ、プロに頼む目安と実例3社
こんな人向け
メーカーや小売・通販の販促、EC、マーケティングの担当者で、「商品ページの写真と文章だけでは良さが伝わらない」「動画を作りたいが、自分たちで作れるのか、どこからプロに頼むべきか分からない」と感じている方に向けて書いています。展示会や商談で使う製品紹介動画を作りたいBtoBの方にも、そのまま使える内容です。
会社紹介・展示会・採用など、企業の動画全体の種類と発注の流れから知りたい方は、先に → 企業の動画制作ガイド を読んでみてください。この記事では、そのうち商品や製品を紹介する動画に絞ってお話しします。
目次
1.商品紹介動画とは? 製品紹介動画・説明動画・動画広告との違い
結論
商品紹介動画は、買う前の迷いを映像で減らす動画です。
商品紹介動画は、商品の良さを並べて伝えるための動画というより、買うかどうか迷っている人に「これなら自分に合いそう」と思ってもらうための動画です。似た名前の動画はいくつかありますが、見る人と、見るタイミングが違うんです。

商品紹介動画・説明動画・動画広告・会社紹介動画の違い
| 比べる点 | 商品紹介動画 | 説明動画 | 動画広告 | 会社紹介動画 |
|---|---|---|---|---|
| 主に見る人 | 買うかどうか比べている人 | 使い方や仕組みを知りたい人(買ったあとの人も多い) | まだ商品を知らない人 | 取引先、お客様、求職者 |
| 見るタイミング | 商品ページや売り場で迷っているとき | 疑問が出たとき、使い始めるとき | SNSや動画を見ている途中 | 会社を調べるとき |
| 伝えること | 使い心地、使う場面、大きさや質感、ほかとの違い | 手順、仕組み、よくある疑問の答え | 気になってもらうきっかけ | 何の会社で、何が強みか |
| 見たあとにしてほしいこと | 購入する、カートに入れる、問い合わせる | 自分で解決する、使い続ける | 商品ページを開く | 信頼する、相談する |
| 測る数字の例 | 商品ページの購入率、カートに入れた割合 | 問い合わせの減り方、最後まで見た割合 | 表示回数、クリック率 | サイトの滞在時間、商談での話題 |
使い方の手順やよくある疑問に答える動画の作り方は、→ 説明動画の作り方 で詳しく解説しています。この記事では、買う前のお客様に向けた動画を扱います。
「製品紹介動画」は、商談と展示会で使う商品紹介動画
検索では「製品紹介動画」という言葉もよく使われていますよね。中身はほぼ同じですが、BtoBの機械や部品、システムのように、会社が会社に売るものを紹介するときに「製品」と呼ぶことが多いようです。
違いが出るのは、見る人の数と見る場面ではないでしょうか。家電や日用品の商品紹介動画は、たくさんの人が商品ページで1人ずつ見ます。一方で製品紹介動画は、展示会のブースや商談の席で、導入を検討している担当者が上司に説明するために見ることが多いでしょう。そのため製品紹介動画では、見た目の美しさより「仕組み」「導入したあとの流れ」「同じ業界での使われ方」が求められます。
動画が向いている商品、向いていない商品
動画の出番が大きいのは、写真と文章では伝わりにくい良さを持つ商品です。たとえば、動き(家電の仕組み、機械の速さ)、質感(布の柔らかさ、肌への伸び)、大きさ(部屋に置いたときの感じ)、手間の少なさ(組み立てやお手入れのかんたんさ)がそうでしょう。
反対に、型番と価格だけで選ばれる消耗品のように、比べる点がはっきりしている商品では、動画を作っても購入率はあまり変わらないかもしれません。何でも動画にするのは、全部の料理に特製ソースをかけるのと少し似ていて、手間のわりに味は変わらないものです。まずは「写真ではいちばん伝わりにくい商品」から1本を選んでみてください。
2.商品紹介動画の効果は? 調査で見る「買う前に見られる動画」
結論
使う様子が見える動画ほど、購入の後押しになります。
商品紹介動画は、きれいに見せるほど売れると思いがちですよね。でも調査の数字を見ると、買う気持ちを強めているのは、使ったときの様子が分かる動画なんです。

動画をきっかけに買った人は、どんな動画を見ていたか
NEXERとアートブレインズが、普段YouTubeを見る全国の男女779名に聞いた調査(2025年4〜5月)では、YouTubeの動画をきっかけに商品を買ったことがある人は22.3%でした。そのうえで、買ったことがある人に「どんな動画で買う気持ちが強まるか」を聞いた結果は次のとおりです。
| 動画の種類 | 買う気持ちが強まると答えた割合 |
|---|---|
| 商品レビュー動画 | 49.4% |
| 使い方・活用方法を紹介するチュートリアル動画 | 19.5% |
| インフルエンサー・有名人によるおすすめ紹介動画 | 10.3% |
理由として挙がっていたのは、「きちんと使用したときの感想や、結果を見られるから」「使い方の動画を見ていると、自分が使っている姿が想像できる」といった声でした。同じ調査では、長い動画と短い動画のどちらで買いたくなるかも聞いていて、72.4%が長い動画と答えていますね。
写真や動画が足りないと、買うのをやめる人もいる
商品情報の管理サービスを提供する会社が、ネットと実店舗の両方で月1回以上買い物をする111名に聞いた調査(2025年1月)では、63.1%が「商品の写真や動画がないことで購入を諦めた」経験があると答えていました。ネットで買うときに重視することでは、「商品の様々な角度や使用シーンが見られること」が44.1%、「商品の質感や素材感が分かりやすいこと」が40.5%と続いていますよ。
回答者の数が多い調査ではないので、細かい割合より傾向として見てみてください。それでも、2つの調査が同じ方向を指しているのは見逃せません。お客様が動画に求めているのは、作り手が言いたい特長の一覧より、「使ったらどうなるか」が見えることのほうだと言えるでしょう。
短い動画で気づいてもらい、長い動画で決めてもらう
72.4%が長い動画のほうで買いたくなると答えた一方で、短い動画を選んだ人からは「良いところを凝縮して見られる」という声も出ていました。短い動画と長い動画は、どちらかを選ぶものではなく、役割が違うと考えたほうが自然でしょう。
SNSの縦型の短い動画で「気になる」と思ってもらい、商品ページやYouTubeの長めの動画で「これに決めよう」と思ってもらう流れです。お客様が商品を知ってから買うまでのどの場面で動画を使うかの全体像は、→ 動画マーケティングとは で整理しています。
3.商品紹介動画の種類:置き場所で選ぶ6つ
結論
種類は、動画を置く場所から決めます。
商品紹介動画には決まった種類があるわけではありませんが、置く場所によって、見る人の気持ちも、合う長さも変わります。先に置き場所を決めておくと、何を撮ればいいかがはっきりしますよ。

置き場所ごとの商品紹介動画(比較表)
| 置き場所 | 見る人の気持ち | 合う中身 | 尺の目安 | 画面の向き |
|---|---|---|---|---|
| ECモール・自社サイトの商品ページ | 買うかどうか、最後に迷っている | 使う場面、大きさや質感、お手入れ | 30秒〜2分 | 横または正方形 |
| SNSの投稿・縦型の短い動画 | まだ商品を知らない、流れてきた動画を眺めている | いちばん分かりやすい変化の1場面 | 15〜30秒 | 縦 |
| YouTubeの長めの動画 | ほかの商品と比べて、じっくり選びたい | レビュー、比較、使い方のこつ | 3〜10分 | 横 |
| 店頭・展示会のモニター | 通りがかりに、少しだけ目を向けている | 音がなくても分かる動き、使う前と後 | 15〜60秒をくり返し | 横または縦 |
| 商談・営業の資料 | 導入を検討していて、社内で説明したい | 仕組み、導入後の流れ、同じ業界での使われ方 | 2〜5分 | 横 |
| メール・購入後のページ | 買ったばかり、または買い足しを考えている | 上手な使い方、組み合わせ | 1〜3分 | 横または縦 |
尺の目安は、ZiiiRAが商品紹介動画の構成を考えるときに使っている目安です。決まりではないので、商品の中身に合わせて前後させてみてください。
最初の1本は「商品ページの60秒」から
迷ったら、いちばん売りたい商品の商品ページに置く、60秒前後の動画から作ってみてください。商品ページを見ている人は、もう買う手前まで来ているので、動画の効き目が数字で確かめやすいんです。
SNSの短い動画や店頭のモニター用の動画は、同じ撮影の素材から切り出して作れます。最初から全部の場所に別々の動画を作る必要はありません。
YouTubeで続けるなら、チャンネルとして育てる
比較やレビューの動画をYouTubeで続けて出していくなら、単発の動画ではなく、毎月の本数と企画を決めて運用する形になります。社内に企画や編集の手が足りない場合は、チャンネルの運用ごと外に任せる方法もありますよ。任せられる範囲と月額の目安は、→ YouTube運用代行の費用と選び方 で紹介しています。
4.商品紹介動画の作り方:撮る前から公開までの7ステップ
結論
撮る前に「誰の、どの迷いか」を1行で決めます。
商品紹介動画づくりでいちばん多い失敗は、商品の良いところを全部入れようとして、誰に向けた動画か分からなくなることです。次の7つの手順で進めると、自分たちで作る場合でも、途中で迷わずにすみます。

7つの手順
| 手順 | やること | ここで決めておくこと |
|---|---|---|
| ① 迷いを決める | お客様が買う前に迷う点を1つ選ぶ | 誰の、どの迷いに答えるか |
| ② 見せる場面を決める | 迷いが消える場面を1つ考える | 使う場所、使う人、使う前と後 |
| ③ 置き場所と尺を決める | 第3章の表から置き場所を選ぶ | 尺、画面の向き、音なしで見られるか |
| ④ 構成を書く | 第5章のテンプレートに当てはめる | 最初の数秒で見せる場面、最後の案内 |
| ⑤ 撮影する | 引き・寄り・使う場面の3つを撮る | 撮影の場所、光、出演する人 |
| ⑥ 編集する | 構成どおりにつなぎ、文字と音を整える | 文字の量、音楽の音量、最後の案内 |
| ⑦ 置いて数字を見る | 商品ページなどに置き、前後で比べる | 見る数字と、比べる期間 |
構成シート(書き込み式)
①〜③は、撮る前に次のシートへ1行ずつ書いておきましょう。
| 問い | 書くこと | 記入例(考え方を示すための例です) |
|---|---|---|
| 誰に買ってほしいか | 年代、暮らし方、今使っているもの | 一人暮らしを始めた20代、今は鍋でお湯を沸かしている |
| 買う前に何に迷うか | 問い合わせやレビューでよく出る声を3つ | 置き場所に困らないか、お手入れが面倒ではないか、音はうるさくないか |
| どの場面で答えるか | 使う場所、使う人、使う前と後 | 狭い台所に置き、朝の1杯を沸かして、洗うところまで |
| どこに置くか | 置き場所と尺、画面の向き | 自社サイトの商品ページ、60秒、横 |
| 見たあとに何をしてほしいか | 次の行動と、測る数字 | カートに入れる、商品ページの購入率 |
いちばん大事なのは、2行目の「迷い」を社内の想像で埋めないことです。お客様からの問い合わせ、レビュー、販売店や営業担当者がよく聞かれる質問から集めてみてください。
公開したあとに見る数字
| 置き場所 | 見る数字の例 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 商品ページ | 購入率、カートに入れた割合、ページにいた時間 | 動画を置く前と後の、同じくらいの期間で比べる |
| SNS | 最後まで見た割合、プロフィールや商品ページへ進んだ数 | 同じ商品の、動画あり・なしの投稿で比べる |
| YouTube | 見られた時間、概要欄のリンクが押された数 | 公開から1か月の数字を、ほかの動画と比べる |
| 店頭・展示会 | 足を止めた人の数、声をかけられた数 | モニターを置いた日と置かない日で、スタッフが数える |
| 商談 | 次の打ち合わせに進んだ割合、社内の説明に使われたか | 商談のあとに、担当者へ一言聞いておく |
いきなり全部を測る必要はありません。最初は「商品ページの購入率を、動画を置く前と後で比べる」だけでも、作った動画が働いているかが見えてきます。
5.商品紹介動画の構成テンプレート:15秒・60秒・3分
結論
最初の数秒で、使うとどうなるかを見せます。
構成の決まりは1つではありませんが、どの長さでも共通するのは、最初に「この商品を使うとどうなるか」を見せることです。商品名やロゴから始めると、そこで見るのをやめる人が出てしまうかもしれません。
15秒(SNSの縦型の短い動画)
| 時間の目安 | 見せること | ねらい |
|---|---|---|
| 0〜3秒 | いちばん分かりやすい変化の場面(使う前と後など) | 指を止めてもらう |
| 3〜10秒 | その変化が起きる理由を1つだけ | 「なぜ?」に答える |
| 10〜15秒 | 商品の全体と、商品名の検索のしかた | 商品ページへ進んでもらう |
60秒(商品ページ)
| 時間の目安 | 見せること | ねらい |
|---|---|---|
| 0〜5秒 | 使っている場面と、その動画で分かること | 見続けるかを決めてもらう |
| 5〜20秒 | 商品の全体と大きさ(手に持つ、部屋に置くなど) | 大きさの迷いをなくす |
| 20〜45秒 | 買う前の迷い1〜2つへの答え(質感、音、お手入れなど) | いちばんの迷いに答える |
| 45〜55秒 | 色やサイズの違い、付属品 | 選び方の迷いをなくす |
| 55〜60秒 | カートや問い合わせへの案内 | 次の一歩を示す |
3分(YouTube・商談)
| 時間の目安 | 見せること | ねらい |
|---|---|---|
| 0〜15秒 | どんな人の、どんな困りごとに向けた動画か | 自分のことだと思ってもらう |
| 15秒〜1分 | 困りごとが起きる理由と、ふつうの解き方の限界 | 比べる物差しをそろえる |
| 1〜2分 | 商品の仕組みと、使う場面の実演 | 「これなら解ける」と思ってもらう |
| 2分〜2分40秒 | 使った人の声、または導入した会社の使い方 | 自分に置き換えてもらう |
| 2分40秒〜3分 | 選び方のポイントと、次の行動の案内 | 次の一歩をはっきり示す |
60秒の動画で、伝えたい良さを5つも6つも入れるのは、1分の自己紹介で趣味を10個言うようなもので、たぶん1つも覚えてもらえません。60秒なら答える迷いは1〜2つ、3分でも3つまでに絞ると、伝わり方がぐっと変わりますよ。
使った人の声を入れたいときは、お客様にインタビューする形が向いています。質問の組み立て方は、→ インタビュー動画の作り方 で紹介しています。
作った動画を、広告でどこに出すか迷う方へ
15秒の縦型ができたら、次はYouTube・TikTok・Instagramのどこに出すかです。無料資料「動画広告は、どの媒体に出すか」(全28ページ)では、媒体の選び方と費用の比べ方を、順番にまとめています。
- 5つの物差しで、最初に出す媒体を決められます
- 単価の単位をそろえて、媒体ごとの費用を比べられます
- 2つ目の媒体を足す時期と、予算の配分を決められます
6.おしゃれに見せる撮り方のコツ:光・背景・寄り・音
結論
おしゃれさは、機材より光と背景で決まります。
「おしゃれな商品紹介動画」を作りたいとき、まず高いカメラを買いたくなりますよね。でも実は、手作り感が出てしまう原因の多くは、カメラではなく光と背景のほうにあるんです。

おしゃれに見せる5つのコツ
- 光は窓から横に入れる:真上の照明だけで撮ると、影が下に落ちて平たく見えます。窓のそばで、商品の横から光が入る位置に置き、反対側に白い紙や板を立てて影を少しだけ明るくしてみてください。
- 背景の色は2色までにする:背景に物が多いと、商品より生活感が目立ってしまいます。白や木の色など、商品の色を引き立てる背景を選び、映る色を2色ほどに絞りましょう。
- 引き・寄り・使う場面の3つを撮る:商品の全体(引き)、素材や細かな作り(寄り)、実際に使っている場面の3つがそろうと、見る人は商品を手に取ったときに近い感覚を持てます。
- カメラはゆっくり動かすか、動かさない:動きが速いと、それだけで落ち着かない映像になります。三脚で止めて撮るか、動かすなら思っているより半分くらいの速さにしましょう。
- 音は最後まで気をつける:映像がきれいでも、話す声が聞き取りにくいと内容が伝わりません。話す場面では小さなマイクを使い、音楽は声より小さくしておくと安心です。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 見る人の受け取り方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 色が実物と違って見える | 届いたときにがっかりする | 白い紙を一緒に映して色を合わせ、実物と並べて見比べる |
| 文字が多く、すぐ消える | 読み切れずに見るのをやめる | 1画面の文字を短くし、読める時間だけ出しておく |
| 商品が小さくしか映らない | 何の動画か分からない | 最初の数秒で、商品を画面の大きな部分に映す |
| 使う場面がモデルさんの笑顔だけ | 自分が使う姿を想像できない | 手元や使う前と後の変化を、はっきり映す |
| 音楽が大きく、声が聞こえない | 内容が入ってこない | 音楽は声の半分くらいの大きさにする |
フィルターでおしゃれに仕上げるのも1つの手ですが、色まで変わってしまうと、実物と違う見え方になります。おしゃれさは、商品を正しく見せたうえで足すもの、と考えておくと安全でしょう。
7.テンプレート・AIで作る方法と、気をつけたいこと
結論
テンプレートとAIは、作る手間を減らす道具です。
最近は、スマートフォンの編集アプリや、文字や動きの型がそろったテンプレート、AIで映像や音声を作るサービスなど、商品紹介動画を作る道具がたくさんありますよね。どれも手間を減らすのには役立ちますが、何を見せるかまでは決めてくれないんです。
作り方ごとの比較
| 作り方 | 向いている場面 | 手間 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| スマートフォンで撮って編集アプリでつなぐ | SNSの短い動画、使う場面の映像 | 撮影と編集を社内で抱える | 光と音で手作り感が出やすい |
| テンプレートの編集ツールで作る | 商品の数が多く、同じ形の動画をたくさん作るとき | 型があるので、慣れれば早い | どの会社の動画も似た見た目になりやすい |
| AIで映像や音声を作る、自動で編集する | ナレーションの読み上げ、下書きの構成、素材の切り出し | 下準備は少ないが、確認に時間がかかる | 実物と違う見え方になっていないかを必ず確かめる |
| 制作会社に頼む | 作り込みが要る1本、展示会や商談の主役になる動画 | 打ち合わせと確認が中心 | 頼む前に、見せる場面と置き場所を決めておく |
実物と違う見え方は、法律の問題にもなる
AIで作った映像や、加工しすぎた映像で、商品の品質や効き目を実際より良く見せてしまうと、景品表示法の「優良誤認表示」にあたるおそれがあります。消費者庁は、わざと偽った場合だけでなく、誤って表示してしまった場合でも規制の対象になると説明していますね。
また、お客様やインフルエンサーにレビュー動画をお願いする場合は、広告であることが分かるようにしておきましょう。2023年10月1日から、広告であることを隠す、いわゆるステルスマーケティングは景品表示法違反になりました。企業がインフルエンサーなどに依頼・指示した投稿も広告に含まれ、規制の対象になるのは依頼した事業者のほうです。
テンプレートを使うなら、型より中身を先に決める
テンプレートを使うと、見た目はすぐにそれらしくなります。ただ、型に合わせて中身を後から埋めると、どの商品も同じ説明になってしまいがちです。第4章の構成シートで「迷い」と「場面」を先に決めてから、それに合う型を選ぶ順番にしてみてください。
AIを使った動画制作の進め方そのものは、別の記事で詳しくまとめる予定です。ここでは、AIは素材づくりや下書きの手間を減らす道具として使い、何を見せるかと、実物どおりかの確認は人がする、と覚えておいてください。
8.自分で作るか、プロに頼むか:判断の目安
結論
作り込みが要る1本だけ、プロに頼むのが近道です。
商品紹介動画は、全部を自分たちで作ることも、全部を制作会社に頼むこともできます。ただ、どちらか一方に決めるより、動画ごとに分けたほうが、手間とお金のかけ方に無理が出にくいんです。

自分で作る場面・プロに頼む場面
| 比べる点 | 自分たちで作るのが向く | プロに頼むのが向く |
|---|---|---|
| 動画の役割 | SNSの短い動画、商品の数が多い商品ページ | ブランドの顔になる1本、展示会や商談の主役 |
| 作り直す回数 | 季節や在庫に合わせて、こまめに作り直す | 一度作れば、1年以上使い続ける |
| 見せたいもの | 使う場面、手元、スタッフのおすすめ | 仕組みの図解、ドローンや特殊な撮影、大きな機械の動き |
| 求められる仕上がり | 自然さ、親しみ、早さ | 高級感、正確さ、ほかの映像との統一感 |
| 社内の体制 | 撮影と編集ができる人が、少しでもいる | 撮影や編集に時間を割ける人がいない |
プロに頼んだほうがいい3つのサイン
- 実物を撮れない、または見せられない:大きな機械、工場の中、まだ発売前の商品などは、図や動きのある絵(アニメーション)で仕組みを見せる必要があり、作り手の腕が仕上がりを左右します。
- ほかの広告や売り場と見た目をそろえたい:テレビCMやカタログ、売り場の飾りと色や雰囲気を合わせるには、撮影と編集の両方で細かな調整が要ります。
- 1本で長く使う、主役の動画にしたい:展示会のブースや、ブランドのトップページで何年も使う動画は、最初にかけた手間がそのまま長く効いてきます。
反対に、SNSの短い動画や、たくさんの商品の商品ページ用の動画は、社内で作るほうが早く、数も出せます。社員が自分たちで撮って続ける進め方は、→ 採用動画の効果と作り方 でも、スマートフォンで撮り続けている会社の例を紹介しています。
頼むときの費用と会社の選び方
制作会社に頼むときの金額の幅や、見積もりの金額がどう積み上がるかは、→ 動画制作の費用相場 で作り込みの段階ごとに整理しています。頼む会社の比べ方と、契約で確かめたい権利の扱いは、→ 動画制作会社の選び方 をあわせて読んでみてください。
9.実例:商品紹介動画で購入率が変わった3社
結論
3社とも、使う場面を商品ページで見せていました。
ここでは、ECモールの商品ページに商品紹介動画を置いた3社の例を紹介します。3社とも、動画の編集ツールを使って社内で作る体制にしていて、その導入事例として公開されている内容です。数字はいずれも、各社の発言や事例の公開時点のものです。
実例1|東芝ライフスタイル(家電):使う動作からお手入れまでを1本に
家電を中心に開発から販売まで手がける東芝ライフスタイルは、2023年に社内でスマートフォンを使った撮影から動画づくりを始めました。ただ、手間が大きく、必要な数の動画を作りきれないという悩みを抱えていたそうですよ。2024年7月に公開された事例によると、取り組みは次のようなものでした。
- 動画の編集ツールを入れて、まずはECモールの商品詳細ページに動画を置いた
- 動画の中身は、商品を使うところからお手入れまでの一連の動作で組み立て、商品を手に取らなくても使う様子がイメージしやすいようにした
- まだ動画のない約300の商品にも、順に動画を足していく計画を立てた
アイロンでは、前の年と比べてページビューが約1.4倍、売上が1.6倍以上になり、商品ページの購入率も約1.2倍に上がったと紹介されていますね。
ZiiiRA
ポイント:機能の一覧ではなく、「使う → お手入れする」という使う人の動きの順番で見せていた点が学びになります。第5章の60秒テンプレートの考え方にも近い作り方ではないでしょうか。
実例2|医食同源ドットコム(健康食品):使う人が知りたいことを先に話し合う
健康食品やサプリメントなどを開発・販売する医食同源ドットコムは、店頭と違ってECでは商品の魅力を伝えにくいことに悩み、商品ページのサブ画像と動画づくりを強めていきました。2025年3月に公開された事例では、次のような進め方が紹介されています。
- デザイナーではないECの担当者が、必要なときに動画を作れる体制にした
- 撮影の前にチームで「使う人はどんな情報を知りたいか」を話し合い、中身を決めてから作り始めた
- 30秒〜1分ほどに収め、見る人がストレスなく分かるようにした
- シリーズの商品では、文字を入れる帯の色をそろえて、見覚えのある見た目にした
外に頼んでいたころは納品まで最短でも2〜3週間かかっていたのが、撮影から編集、サイトへの反映まで3日ほどでできるようになり、Amazonの商品ページでは動画を置く前と後で購入率が2ポイント上がったそうですよ。作った動画は、実際の店舗の売り場でも使われています。
ZiiiRA
ポイント:「企業が伝えたい機能」と「使う人が知りたいこと」は違う、と先に話し合っていた点が参考になりますね。第4章の構成シートの「迷い」の欄にあたる作業なんです。
実例3|ピップ(ヘルスケア用品):広告用と商品ページ用で作り分ける
医療衛生用品やヘルスケア用品などを製造・販売するピップは、扱う商品が300を超えるため、公式の商品紹介動画があるのは一部の商品だけでした。それまでは営業担当者が自分でPowerPointを使って動画を作っていて、時間がかかるうえに、担当者によって仕上がりが変わることが悩みだったそうです。2023年12月に公開された事例から、工夫した点を見てみましょう。
- Amazonの広告用の動画は、理解してもらうより「気になる」と思ってもらうことを優先し、目を引く配色にして、画面の切り替えを速くした
- 商品ページの動画は「伝える」ことを優先し、1画面を長めに見せて、動きをあえて減らした
テレビCMやWeb広告の影響でページを見る人が急に増え、購入率が下がりやすい状況の中でも、新商品の商品ページの購入率は1.12倍に上がったと紹介されていますね。
ZiiiRA
ポイント:同じ商品でも、置き場所によって見せ方を変えていた点が学びになります。第3章の「置き場所で選ぶ」考え方そのものですよね。
3社の比較
| 比べる点 | 東芝ライフスタイル | 医食同源ドットコム | ピップ |
|---|---|---|---|
| 商品 | 家電(アイロンなど) | 健康食品・サプリメント | ヘルスケア用品 |
| 置き場所 | ECモールの商品詳細ページ | Amazonの商品ページ、店舗の売り場 | Amazonの広告、商品ページ |
| 中身の工夫 | 使うところからお手入れまでの一連の動作 | 使う人が知りたいことを先に話し合い、30秒〜1分に | 広告は目を引く配色、商品ページは1画面を長めに |
| 作り方 | 社内で、編集ツールを使って作成 | ECの担当者が、編集ツールを使って作成 | 営業担当者が、編集ツールを使って作成 |
| 公開されている成果 | アイロンの売上が前の年の1.6倍以上、購入率約1.2倍 | 制作が最短2〜3週間から3日ほどに、購入率2ポイント上昇 | 新商品の商品ページの購入率1.12倍 |
3社とも、見た目の派手さではなく「使う様子」と「置き場所に合った見せ方」を大事にしていました。どれか1つを真似するなら、商品の数と、社内で動画を作れる人の数が自社に近い会社から選んでみてください。
10.商品紹介動画のよくある質問
結論
迷いやすい点は、ここで先に確かめます。
商品紹介動画は何秒くらいがいいですか?
一律の答えはありませんが、商品ページなら30秒〜2分、SNSの短い動画なら15〜30秒が目安です。YouTubeをよく見る人への調査では、72.4%が長い動画のほうで買いたくなると答えていました。短い動画で気づいてもらい、商品ページやYouTubeの長めの動画で決めてもらう組み合わせにしてみてください。
スマートフォンだけで作れますか?
作れます。光と背景を整え、三脚でぶれを抑え、話す場面では小さなマイクを使えば、商品ページやSNSで使う動画には十分なことが多いでしょう。仕組みの図解や大きな機械の撮影のように作り込みが要る動画だけ、プロに頼む方法もあります。
おしゃれに見せるには、何から変えればいいですか?
まずは光と背景から変えてみてください。窓の光を商品の横から入れ、背景の色を2色ほどに絞るだけでも、手作り感はかなり減ります。ただし、フィルターで色まで変えてしまうと実物と違って見えるので、色は実物と見比べて確かめましょう。
AIやテンプレートだけで作っても大丈夫ですか?
作れますが、何を見せるかと、実物どおりかの確認は人がする必要があります。AIで作った映像で商品を実際より良く見せてしまうと、景品表示法の優良誤認表示にあたるおそれがあるからなんです。テンプレートは、構成シートで中身を決めてから選ぶと、どの商品も同じ説明になるのを防げます。
BtoBの製品紹介動画も、同じ作り方でいいですか?
基本の手順は同じですが、見せる中身が変わります。製品紹介動画は、導入を検討する担当者が社内で説明するために見ることが多いので、仕組みと導入したあとの流れ、同じ業界での使われ方を中心にしましょう。展示会のモニターで流すなら、音がなくても分かる作りにしておくと安心です。
まとめ:商品紹介動画は「使ったらどうなるか」を見せる
結論
商品紹介動画は、買う前の迷いに1本ずつ答えます。
「おしゃれな動画を作ったのに、購入率が変わらない」理由の多くは、映像の美しさではなく、答える迷いと置き場所にありました。買う前のお客様が知りたいのは、自分が使ったらどうなるかです。
- 動画をきっかけに買った人の約半数が、使ったときの様子が分かるレビュー動画で買う気持ちが強まったと答えていた
- 種類は置き場所から選び、最初の1本は商品ページの60秒前後から作ると、効き目を数字で確かめやすい
- 撮る前に構成シートで「誰の、どの迷いか」を決め、作り込みが要る1本だけをプロに頼む
次の1アクション
いちばん売りたい商品について、お客様からの問い合わせやレビューに出てくる「買う前の迷い」を3つ書き出してみてください。その3つが、最初の商品紹介動画で答えるべき中身になります。
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初めて動画制作を外に頼む販促・広報の担当者や経営者に向けた、全27ページの資料です。
- 頼む中身を社内で決めるための要件シートがあります
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商品紹介動画をYouTubeやSNSでどう続けるかまで含めて整理したい方は、無料相談もご利用ください。無理な営業や、根拠のない約束はしません。お話を伺って難しいと判断した場合も、正直にお伝えします。
支援内容はサービス紹介にまとめています。
運営会社:ZiiiRA
企業・経営者・専門家のビジネスYouTubeを、戦略設計から企画・制作、運用・改善まで支援しています。支援チャンネル数80以上、累計制作本数3,000本以上(ロング・ショート合計。公式サイト掲載の実績)。※成果は、案件・期間・市場環境によって異なります。
出典
- 株式会社NEXER・株式会社アートブレインズ「YouTube動画と商品購入に関するアンケート」(PR TIMES、調査期間2025年4月28日〜5月7日、普段YouTubeを見る全国の男女779名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001644.000044800.html (株式会社アートブレインズ https://artbrains.co.jp/ )
- 株式会社Contentserv「オンラインショッピングにおける商品情報の視覚的重要性に関する調査」(PR TIMES、調査期間2025年1月8日〜9日、オンラインショップと実店舗の両方で月1回以上買い物をしている20〜60歳の111名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000040168.html
- 消費者庁「優良誤認とは」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
- アライドアーキテクツ株式会社「東芝ライフスタイル|商品紹介動画の活用事例」(2024年7月23日公開) https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/case-toshiba-lifestyle
- アライドアーキテクツ株式会社「医食同源の動画制作・活用事例」(2025年3月26日公開) https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/case-ishokudogen
- アライドアーキテクツ株式会社「ピップのAmazon広告・商品ページへの動画活用事例」(2023年12月26日公開) https://service.aainc.co.jp/product/letrostudio/article/case-pip
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※2026年10月時点の情報です。


