
読者の疑問
「YouTube広告って、結局いくらかかるの?」と上司に聞かれて、調べ始めた方も多いのではないでしょうか。
検索すると「1回の視聴で3〜20円」「月10万円から始められる」といった数字がたくさん出てきます。ただ、この数字だけでは社内に出す予算の根拠にはなりにくいんです。広告に払うお金のほかに、動画を作るお金と、広告を動かす人のお金がかかるからです。
この記事では、YouTube広告の費用を「広告費・制作費・運用費」の3つに分けて、それぞれがいつ、何に対してかかるのかを整理していきましょう。そのうえで、目的から月の予算を逆算する手順を、計算例つきで紹介します。
先に答え
費用は3つの合計で見て、予算は目的から逆算します。
この記事のポイント
- YouTube広告にかかる3つの費用と、それぞれの目安の考え方
- 広告の種類ごとに、お金がかかるタイミング(課金の条件)
- 目的から月の予算を逆算する手順と、計算例
- 自社で運用する場合と、代理店に頼む場合の費用の違い
- 出典つきの実例2社と、費用がむだになりやすいパターン
こんな人向け
- YouTube広告の予算案を社内に出す必要がある方
- 記事ごとに違う相場の数字に、どれを信じればいいか迷っている方
- BtoBの商材で、YouTube広告が自社に合うかを見極めたい方
YouTubeを使ったマーケティング全体の進め方は、YouTubeマーケティングの全体像で整理しています。この記事では、そのうち広告にかかるお金に絞ってお話しします。
目次
1.YouTube広告の費用は「広告費・制作費・運用費」の3つの合計
結論
見積もりは、3つの費用を足して比べます。
YouTube広告の費用というと、Googleに払う広告費だけを思い浮かべがちですよね。でも実際には、広告として流す動画を作る費用と、配信の設定や見直しをする人の費用もかかります。

3つの費用の中身
| 費用 | 何に払うお金か | 払う相手 | 金額を決めるもの |
|---|---|---|---|
| 広告費 | 広告が表示された・見られた・押されたことに対して | 自分で決める日予算と、選んだ入札の方法 | |
| 制作費 | 広告に使う動画を作ること | 制作会社、または社内の人件費 | 本数、長さ、撮影の有無、縦・横の版の数 |
| 運用費 | 配信の設定、見直し、報告 | 代理店、または社内の人件費 | 頼む範囲、広告費の大きさ、契約の形 |
広告費は、Googleに直接払うお金です。予算の額は広告主が自分で決めるもので、いつでも変えられるとGoogle広告ヘルプでも説明されていますよ。
制作費は、広告に使う動画を作るお金です。手持ちの動画を使えば新しくはかかりませんが、広告向けに短く作り直したり、縦長の版を足したりすると、そのぶんの費用がかかるんです。
運用費は、広告を動かす人にかかるお金です。代理店に頼めば手数料として見えますし、社内で回す場合も担当者の時間というかたちで、見えないコストがかかっていることは覚えておきたいところですね。
「月10万円から」の数字が指しているもの
よく見かける「月10万円から始められる」という言い方は、ほとんどの場合、広告費だけを指しています。動画を新しく作るなら制作費が、代理店に頼むなら手数料が、その上に乗ってくるわけですね。
社内に予算案を出すときは、3つを分けて書いておくと話が早く進みます。上司が知りたいのは「全部でいくらか」と「そのうち、毎月出ていくのはどれか」の2つだからです。
| 費用 | 出ていき方 | 社内での説明のしかた |
|---|---|---|
| 広告費 | 毎月(配信している間だけ) | 「月◯円を上限に、止めればゼロになります」 |
| 制作費 | 最初にまとめて(作り直すときに追加) | 「◯本作り、◯か月使い回します」 |
| 運用費 | 毎月(契約の形による) | 「手数料◯%、または社内の担当◯時間」 |
2.お金がかかるタイミング:広告の種類ごとの課金の条件
結論
払う条件は、種類と入札の方法で決まります。
YouTube広告は、見られた分だけ払う広告と、表示された分だけ払う広告に大きく分かれます。どちらになるかで、同じ予算でも手に入るものが変わるんです。

種類別の課金の条件(Google広告ヘルプより)
| 広告の種類 | どこに出るか | お金がかかる条件 |
|---|---|---|
| スキップ可能なインストリーム広告 | 動画の前・途中・後(5秒たつとスキップできる) | 30秒まで見られたとき(30秒より短い動画は最後まで)、またはリンクなどが押されたとき。入札の方法によっては表示された回数で払う |
| インフィード動画広告 | 検索結果や関連動画の欄、トップ画面 | サムネイルが押されて見られたとき、または自動で10秒以上再生されたとき |
| ショート動画の広告 | ショート動画の間 | 10秒見られたとき、または広告の中のボタンなどが押されたとき。入札の方法によっては表示された回数で払う |
| スキップできないインストリーム広告 | 動画の前・途中・後(15秒〜60秒) | 表示された回数(1,000回あたりの単価) |
| バンパー広告 | 動画の前・途中・後(6秒以内) | 表示された回数(1,000回あたりの単価) |
| マストヘッド | YouTubeのトップ画面の一番上 | 予約制。Googleの営業担当との相談で決める |
なお、2025年10月からは、管理画面の「視聴回数」が「TrueView 視聴回数」という名前に変わっています。
「見られたら払う」と「表示されたら払う」の違い
見られたら払う広告は、興味を持たなかった人がすぐにスキップすれば、お金はかかりません。広告が始まった瞬間からスキップのボタンを待ち構えている人も多いと思いますが、そうした人の分は払わずにすむわけです。そのぶん、最後まで見てくれた人にお金を使える形だといえるでしょう。
表示されたら払う広告は、見られたかどうかに関係なく、表示された回数でお金がかかります。短い動画で、たくさんの人に一度に知ってもらいたいときに向いている形ですね。
「成果が出たときだけ払う」わけではない
ここが、いちばん誤解されやすいところかもしれません。目標のコンバージョン単価(目標CPA)や「コンバージョン数の最大化」で入札すると、問い合わせ1件ごとにお金を払う成果報酬のように見えますよね。
でも、Google広告ヘルプでは、スキップ可能なインストリーム広告をこうした方法で入札した場合、表示された回数で課金されると説明されています。目標CPAは「この単価に近づくように配信してください」という目安で、払う金額を約束するものではありません。
もう1つ、インフィード動画広告をクリック課金と書いている記事もあります。公式の説明では、サムネイルが押されて見られたときか、10秒以上の自動再生で課金される、視聴に対して払う形です。見積もりを読むときは、課金の条件がどう書かれているかを確かめておきましょう。
YouTubeだけでなくTikTokやInstagramも含めて、動画広告の種類と媒体の選び方を比べたいときは、動画広告とはで整理しています。
3.目的別に見る「何に払うか」と「見る数字」
結論
目的が変わると、払う対象も変わります。
YouTube広告の目的は、大きく分けると「知ってもらう」「見てもらう」「行動してもらう」の3つです。目的を1つに決めると、選ぶ広告の種類も、毎月の振り返りで見る数字も決まってきます。

目的別の比較表
| 目的 | 向いている広告の種類 | 主に払う対象 | 振り返りで見る数字 | 費用で気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 知ってもらう | バンパー、スキップできないインストリーム、ショート | 表示 | 表示された人数、表示の回数、1人あたりの表示回数 | 同じ人に何度も出すと、人数が増えないまま費用だけ増える |
| 見てもらう | スキップ可能なインストリーム、インフィード、ショート | 視聴 | 視聴の回数、視聴の単価、最後まで見られた割合 | 視聴の単価が安くても、見たあとの行動につながるとは限らない |
| 行動してもらう | デマンド ジェネレーション(YouTube・Discover・Gmailなどに出す) | 表示(入札の方法による) | 問い合わせや資料請求の件数、1件あたりの費用 | 目標の単価から予算を逆算すると、大きな額が必要になる(第5章) |
以前の「動画アクション キャンペーン」は、2025年から順に「デマンド ジェネレーション キャンペーン」へ切り替わっています。行動してもらう目的で始める場合は、今はこちらが入り口になります。
BtoBは「行動」をいきなり狙わないほうがよい場合がある
BtoBの商材は、1件の問い合わせに届くまでに時間がかかりますよね。動画を1回見ただけで、すぐ資料請求をする人は多くありません。
そのため、最初の数か月は「見てもらう」を目的にして、見た人にあとから検索広告やYouTubeの別の動画で会うほうが、むだが少なくなることがあります。目的を2段に分けて考えるやり方は、第5章の計算例でも出てくるので、あわせて見てみてください。
広告で見てもらったあと、チャンネルや自社サイトで相談につなぐ流れは、YouTube集客の導線の作り方で詳しく紹介しています。
4.単価の目安と、目安どおりにならない理由
結論
単価の目安は、幅として使います。
単価の目安は、Googleが公表しているものではありません。支援会社が自社の経験や公開情報をもとに出している数字なので、記事ごとに違って見えるのは自然なことなんです。
支援会社が公開している単価の目安
| 広告の種類 | 課金の単位 | 公開されている目安 |
|---|---|---|
| スキップ可能なインストリーム | 1回の視聴 | 3〜20円 |
| スキップできないインストリーム | 表示1,000回 | 400〜700円 |
| バンパー(6秒) | 表示1,000回 | 300〜500円 |
| マストヘッド | 予約(固定費) | 数百万〜数千万円 |
この表は、カクタス「YouTube広告の費用相場完全ガイド」(2026年8月6日更新)で公開されている目安をもとにしています。同じページでは、インフィード動画広告をクリック単価で示していますが、第2章のとおり、公式の課金条件は視聴に対してです。
目安より高くなりやすい条件
単価は、広告の枠を取り合うオークションで決まります。見せたい人を細かく絞るほど、取り合う相手が同じになるので、単価は上がりやすくなります。
- 地域、年齢、興味などで、見せる人を細かく絞っている
- 決算期や年末商戦など、広告を出す会社が増える時期に出している
- 動画の最初の数秒で興味を持たれず、すぐにスキップされている(見られる回数が増えず、配信が広がりにくい)
- BtoBで「特定の業種の担当者」だけに見せようとしている
BtoBの商材は、見せたい人が少ないぶん、単価が目安の上のほうになっても不思議ではありません。目安は「この範囲のどこか」と幅で持っておき、実際の単価は小さく試して確かめるのが確実です。
単価より先に見ておきたいこと
単価が安いことは、うれしいことのように見えますよね。ただ、見てほしい人ではない人に安く見られても、問い合わせにはつながりません。
単価の比べ方は、「同じ人に、同じ目的で出したときにどうか」でそろえて見てください。費用対効果をどう見るかは、第3章の表で目的と一緒に決めておくと迷いません。
5.月の予算の決め方:目標から逆算する手順と計算例
結論
予算は、ほしい件数と単価から逆算します。
予算は「いくらなら出せるか」から決めがちですよね。でも、出せる額だけで決めると、少なすぎて何も分からないまま終わることがあります。逆に、目標から逆算すると、必要な額と、その額が現実的かどうかが見えてきます。
逆算の手順
- 目的を1つに決める(知ってもらう・見てもらう・行動してもらう)
- ほしい数を決める(例:月に見てもらいたい回数、月にほしい資料請求の件数)
- 単価の見込みを置く(第4章の目安、または小さく試した結果)
- 「ほしい数 × 単価」で月の広告費を出す
- 月の広告費を30.4で割って、1日の平均予算にする
- 制作費と運用費を足して、総額にする
Google広告では、月の上限は「1日の平均予算 × 30.4」で考えます。1日だけを見ると、平均予算の最大2倍まで使われる日がありますが、月の合計がこの上限を超えた分は請求されないと、Google広告ヘルプに書かれています。
計算例:BtoBの会社が、資料請求を目指す場合
ここでは、ある会社が「YouTube広告から資料請求を増やしたい」と考えた場合を例にします。数字はすべて計算のための仮の値です。
| 項目 | 案A:いきなり資料請求を狙う | 案B:まず見てもらい、検索で会う |
|---|---|---|
| 目的 | 行動してもらう(資料請求) | 見てもらう(2分の説明動画) |
| 単価の見込み | 1件あたり2万円(目標CPA) | 1回の視聴あたり15円 |
| 1日の予算の考え方 | Googleの目安は目標CPAの15倍以上 → 30万円以上 | 自分で決める(この例では約1万円) |
| 月の広告費の目安 | 30万円 × 30.4 = 約912万円 | 視聴2万回 × 15円 = 30万円 |
| 振り返りで見る数字 | 資料請求の件数、1件あたりの費用 | 視聴の回数、最後まで見られた割合、社名での検索の増え方 |
| 向いている会社 | 毎月まとまった件数の問い合わせがあり、予算も大きい会社 | 問い合わせの件数がまだ少なく、まず知ってもらいたい会社 |
Googleの公式記事では、デマンド ジェネレーション キャンペーンで目標の単価を設定する場合、1日の予算を目標単価の少なくとも15倍以上にするよう勧めています。また、「コンバージョン数の最大化」で入札する場合も、1日100ドル(日本円で約15,000円程度)を最低限の目安として示していますね。
案Aのように、1件2万円の資料請求をいきなり狙うと、勧められている予算は月900万円を超えてしまいます。これは「広告が悪い」のではなく、学習に必要な件数を集めるのにそれだけの量が要る、ということなんです。
予算が足りないときの3つの選び方
- 目的を「見てもらう」に変えて、視聴の単価で予算を組む(案B)
- 資料請求より手前の行動(資料のページを見た、料金表のページを見た など)を成果として設定し、件数が集まりやすくする
- 配信する地域や期間を絞って、そのかわり1日の予算を厚くする
Googleの公式記事では、学習の期間は「過去35日間に50件以上のコンバージョン」が集まるまでとされ、その間に予算や入札を頻繁に大きく変えると学習がやり直しになると書かれています。月に数件しか成果がない設定だと、学習が終わらないまま月が変わってしまいます。
試す期間の目安
最初の試しは、1か月より短くしないほうが判断しやすくなります。学習の期間が終わる前に止めると、「効かなかった」のか「まだ学習中だった」のかが分からないからです。
社内の予算案には、「最初の1〜2か月は試しの期間で、この数字を見て続けるかを決めます」と一言添えておくと、途中で止められにくくなりますよ。
広告と運用代行、どちらに予算をかけるかまで決めたい方へ
月の広告費の目安が見えてきたら、次は「広告に使うか、チャンネルの運用に回すか」まで決めておくと、予算案が通りやすくなりますよ。広告と運用代行の費用の違いと、どちらから始めるかを決める物差しをまとめた無料資料「YouTube広告と運用代行、どちらに予算をかけるか」(全28ページ)を、資料のページで公開しています。
- 止めたら何が残るかで、広告と運用代行の費用を比べられます
- 5つの物差しで、どちらから始めるかを決められます
6.制作費:何本・どの長さを作るか
結論
制作費は、本数と版の数で決まります。
広告に使う動画は、1本あれば足りるわけではありません。広告の種類ごとに合う長さや縦・横が違うので、どの種類に出すかで、必要な版の数が変わってきます。

広告の種類ごとに必要になる動画
| 出したい広告 | 合う長さ・形 | 作るときの考え方 |
|---|---|---|
| バンパー | 横または縦、6秒以内 | 伝えることを1つに絞る。長い動画から切り出すこともできる |
| スキップ可能なインストリーム | 横。認知なら15〜20秒、検討してもらうなら2〜3分がGoogleの目安 | 最初の5秒で、誰のための動画かを伝える |
| デマンド ジェネレーション | 横(60秒〜3分、15秒)と縦(10〜60秒)をそろえるのがGoogleのおすすめ | 同じ内容で、横と縦の両方を用意する |
| ショート動画の広告 | 縦、10〜60秒 | 縦の画面で文字や顔が切れないように作る |
制作費をおさえる3つの工夫
- 長めの横の動画を1本しっかり作り、そこから短い版と縦の版を切り出す
- 撮影の日を1日にまとめ、横と縦の両方の画角で撮っておく
- すでにある会社紹介やインタビューの動画を、広告向けに短く編集し直す
動画1本あたりの制作費の内訳と相場は、動画制作の費用相場で詳しく紹介しています。お客様の声を広告に使いたい場合は、インタビュー動画の作り方も参考になると思います。
撮影の前に決めておくこと
広告に使う動画は、撮ってから「縦の版もほしかった」と気づくと、撮り直しになることがあります。撮影の前に、出す広告の種類と、必要な版の一覧を制作側に渡しておくと安心ですよ。
もう1つ、広告では同じ動画を何度も見てもらうことになります。同じ動画が何十回も流れてくると、見る側も出演者の顔を覚えてしまいますよね。2〜3か月で見飽きられることも考えておきたいところです。最初から2〜3パターンを作っておくと、見直しのときに差し替えやすくなります。
7.運用費:自社で回すか、代理店に頼むか
結論
運用費は、手数料と社内の手間で比べます。
広告を動かす仕事には、配信の設定、毎週の見直し、動画の差し替え、報告などがあります。この仕事を誰がするかで、運用費の出方が変わります。

依頼先ごとの費用の比較表
| 依頼先 | 運用費の出方 | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 自社で運用 | 手数料はかからない。担当者の時間がかかる | 担当者を置けて、社内に知識を残したい会社 | 管理画面の操作や入札の知識を覚える時間が要る |
| 広告代理店 | 広告費の一定割合(支援会社の公開情報では15〜30%が相場とされる)、または毎月の定額 | 予算が大きく、配信の見直しを任せたい会社 | 最低の出稿額や最低の手数料を決めている会社がある |
| 制作から運用まで頼める会社 | 制作費と運用費をまとめて見積もる形が多い | 動画づくりから任せたい会社 | 制作と運用の内訳を分けて出してもらう |
| YouTubeチャンネルの運用代行と組み合わせる | 広告とチャンネル運用の費用を別々に見積もる | 広告で見てもらったあと、チャンネルでも関係を深めたい会社 | 広告とチャンネルの担当が分かれると、数字がつながりにくい |
手数料の割合を比べるときの注意
手数料の割合は、同じ「20%」でも中身が違うことがあります。動画の差し替え、レポートの作成、打ち合わせの回数などが、手数料に含まれているかを確かめておきましょう。
また、広告費が小さいと、割合で計算した手数料が少なくなりすぎるため、最低の手数料を決めている会社もあります。月の広告費が少ないうちは、割合ではなく定額の手数料になる、という契約もよく見かけます。
頼む前に聞いておきたい5つのこと
- 手数料は広告費の何%か、最低の手数料や最低の出稿額はあるか
- 手数料に含まれる仕事(設定、見直しの頻度、報告、動画の差し替え)はどこまでか
- 広告のアカウントは自社の名義で作るか(やめたあとも数字が残るか)
- 毎月の報告で、問い合わせや資料請求の数まで見てくれるか
- 動画の制作や作り直しを頼む場合、費用はどのように決まるか
YouTubeのチャンネル運用を外に頼む場合の費用と選び方は、YouTube運用代行の費用と選び方で整理しています。広告とチャンネルをまとめて相談できる会社を探す場合は、YouTubeマーケティング会社の選び方も合わせてご覧ください。
8.実例:YouTube広告にお金をかけて成果を出した2社
結論
成果が出た会社は、動画を用意して試しています。
ここでは、Googleが公式に紹介している事例から、YouTube広告で成果につながった2社を取り上げます。どちらも、広告費だけでなく、動画の作り方と測り方に手間をかけていたことが共通しています。
実例1|タイミー(スキマバイトのサービス):業種と規模に合わせた30本以上の動画で、獲得の単価を下げた
タイミーは、すぐに働きたい人と、すぐに人手がほしい事業者をつなぐサービスです。Googleの「YouTube Works Awards Japan 2024」でファイナリストとして紹介された取り組みでは、人手を探す事業者の登録を増やすために、YouTube広告が使われているんです。
紹介によると、タイミーは事業者の業種や事業の規模に合わせて、30本以上の動画を作り、動画アクション キャンペーン(今のデマンド ジェネレーション キャンペーンの前身)で配信しました。その結果、2023年8月の時点で、獲得1件あたりの費用は配信前の4分の1以下になり、11〜12月には8分の1まで下がったとされています。成果を受けて広告の予算は増やされ、2024年5月の時点でも配信は続いていたと紹介されていますね。
この事例から分かるのは、制作費をかけて動画の数をそろえたことが、広告費の効き方を変えたという点です。見る人の業種ごとに「自分のための動画だ」と思える内容にしたことで、同じ広告費でも成果の件数が増えたと考えられます。
実例2|東田ドライ(兵庫県西脇市・クリーニング):初めての動画広告で、サービス名の検索と売上を伸ばした
東田ドライは、兵庫県西脇市で地域に根づいたクリーニング店を営む会社です。全国から利用できる宅配クリーニングの「リナビス」を広げるために、初めての動画広告として、TrueView アクション(行動につなげるための動画広告。今のデマンド ジェネレーション キャンペーンにあたる)を使いました。
Googleの公式冊子では、広告を出したあと「リナビス」という名前での検索が、実施前の約30倍になったと紹介されていますね。首都圏を中心に注文が増え、売上は前年比で150%に伸びたそうです。
この事例は、地方の中小企業が、全国で知られていないサービスを広告で知ってもらい、名前で検索してもらう流れを作った例です。第5章の案Bのように、動画で知ってもらい、検索で会うという考え方に近い形ですね。なお、2019年に紹介された事例のため、広告の名前や仕組みは今とは違う点にご注意ください。
2社から分かること
| 見るところ | タイミー | 東田ドライ |
|---|---|---|
| ねらい | 事業者の登録(行動してもらう) | サービスを知ってもらい、注文につなげる |
| お金をかけたところ | 業種・規模別に30本以上の動画 | 初めての動画広告の配信 |
| 見ていた数字 | 獲得1件あたりの費用 | サービス名の検索数、注文、売上 |
| 学べること | 動画の数をそろえると、広告費の効き方が変わる | 見たあとに検索してもらう流れも成果になる |
どちらの会社も、広告費だけを増やしたのではなく、見る人に合った動画を用意し、何の数字で判断するかを決めていました。予算を組むときも、この2つを先に決めておくと、使ったお金の意味が説明しやすくなります。
9.費用がむだになりやすい5つのパターン
結論
むだの多くは、始める前の決め忘れです。
YouTube広告の費用がむだになるときは、広告の設定より手前に原因があることが多いんです。始める前に、次の5つに当てはまっていないかを見ておきましょう。

| パターン | 起きること | 始める前の手当て |
|---|---|---|
| 目的を決めずに出す | 見る数字が決まらず、続けるか止めるかを決められない | 目的を1つに決め、見る数字を2〜3個に絞る |
| 動画が1本しかない | 同じ人に同じ動画が何度も出て、見飽きられる | 長さや切り口を変えた版を2〜3本用意する |
| 見たあとの行き先がない | 興味を持った人が、何をすればいいか分からない | 動画の最後と説明文で、見てほしいページを1つ示す |
| 短い期間で止める | 学習が終わる前に止まり、何も分からない | 最初から1〜2か月の試しの期間として予算を組む |
| 合計で見ていない | 広告費は予算内でも、制作費と手数料で予定を超える | 3つの費用を1枚の表にまとめて、毎月見る |
毎月の振り返りで見ること
毎月の振り返りでは、広告費の使い方だけでなく、制作費と運用費も合わせて「全部でいくら使って、何が手に入ったか」を見ると判断がぶれません。問い合わせの数は、広告だけで決まるものではないので、社名での検索の数や、自社サイトの資料ページの閲覧数も合わせて見ておくと安心です。
広告の効果の測り方は、それだけで1本の記事になるくらい奥が深いテーマです。ここでは「始める前に、見る数字を決めておく」ことだけ押さえておいてください。
10.YouTube広告の費用のよくある質問
結論
迷いやすい点は、ここで先に確かめます。
YouTube広告は、いくらから始められますか?
予算の額は広告主が自分で決めるもので、いつでも変えられます。ただし、少なすぎると学習に必要な数が集まらず、判断ができないまま終わってしまうんです。目的と単価の見込みから、第5章の手順で逆算するのがおすすめです。代理店に頼む場合は、その会社の最低の出稿額も確かめてください。
個人や小さな会社でも出せますか?
Googleのアカウントがあれば、会社の大きさに関係なく出すことができます。小さく始めるなら、目的を「見てもらう」にして、地域や期間を絞って試すと、少ない予算でも数字を集めやすくなります。
地域を絞ると、費用は安くなりますか?
使う総額は、自分で決めた予算の範囲におさまります。一方で、見せる人が減るぶん、1回あたりの単価は上がることもあります。お店や営業の範囲が決まっている会社なら、むだな地域に出さずにすむ分、合計では効率がよくなる場合が多いでしょう。
請求はいつ、どのように来ますか?
Google広告では、支払いの設定によって、使った分をあとから払う形と、先に入金しておく形があります。月の請求は「1日の平均予算 × 30.4」を上限に考えておくと、予算を超える心配が少なくなります。
効果が出るまで、どのくらいかかりますか?
配信を始めてすぐに表示や視聴は増えますが、問い合わせなどの成果を目的にする場合は、学習の期間が必要です。Googleの公式記事では、過去35日間に50件以上のコンバージョンが集まるまでを学習の期間としているので、最低でも1か月は試す前提で予算を組んでおきましょう。
まとめ:YouTube広告の費用は「目的から逆算した合計」で考える
結論
費用は、目的から逆算した合計で決めます。
YouTube広告の費用は、Googleに払う広告費だけでなく、動画を作る制作費と、広告を動かす運用費を足した合計で考えると、社内にも説明しやすくなります。
- 広告費は、広告の種類と入札の方法で「表示に払うか、視聴に払うか」が変わり、目標CPAでも成果報酬にはならない
- 月の予算は「ほしい数 × 単価」で逆算し、1日の平均予算 × 30.4を月の上限として組む
- 成果につなげた会社は、見る人に合わせた動画をそろえ、何の数字で判断するかを先に決めていた
次の1アクション
第5章の計算例の表を写して、自社の目的と単価の見込みを入れてみてください。案Aと案Bのどちらが自社に合うかが見えれば、予算案の半分はできあがっています。
無料資料:YouTube広告と運用代行、どちらに予算をかけるか
広告費・制作費・運用費の目安を、社内に出す予算案までまとめたい方に向けた全28ページの資料です。
- 広告と運用代行の、払うお金の性質の違いがわかります
- 予算の内訳シートと稟議用のシートで、予算案をそのまま組めます
- 組み合わせの3つの型から、広告とチャンネルの配分を決められます
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YouTube広告とチャンネル運用の予算をまとめて整理したい方は、無料相談もご利用ください。無理な営業や、根拠のない約束はしません。お話を伺って難しいと判断した場合も、正直にお伝えします。
支援内容はサービス紹介にまとめています。
運営会社:ZiiiRA
企業・経営者・専門家のビジネスYouTubeを、戦略設計から企画・制作、運用・改善まで支援しています。支援チャンネル数80以上、累計制作本数3,000本以上(ロング・ショート合計。公式サイト掲載の実績)。※成果は、案件・期間・市場環境によって異なります。
出典
- Google 広告ヘルプ「YouTube の動画広告フォーマットについて」 https://support.google.com/google-ads/answer/2375464?hl=ja
- Google 広告ヘルプ「Google 広告の費用を管理する」 https://support.google.com/google-ads/answer/1704424?hl=ja
- Google 広告ヘルプ「予算の概要」 https://support.google.com/google-ads/answer/10486536?hl=ja
- Google 広告ヘルプ「デマンド ジェネレーション キャンペーンについて」 https://support.google.com/google-ads/answer/13695777?hl=ja
- Google「潜在層を育て、ビジネスを拡大。デマンド ジェネレーション キャンペーンのベスト プラクティス」 https://business.google.com/jp/accelerate/announcements/the-benefits-of-adding-demand-gen-on-top-of-search-ads-26q1/
- Think with Google「Google AI で成果を最大化する YouTube 広告事例 —— YouTube Works Awards Japan 2024 ファイナリスト作品に学ぶ」(2024年6月) https://business.google.com/jp/think/search-and-video/youtubeworks-2024-2/
- Think with Google 冊子「一人ひとり、みんなの『好き』とつながる」(2020年12月。東田ドライ「リナビス」の事例は2019年10月掲載記事の再録) https://www.thinkwithgoogle.com/_qs/documents/10718/2020_YT_book_update.pdf
- カクタス「YouTube広告の費用相場完全ガイド|6フォーマット別の料金・課金方式・予算設計【2026年最新】」(2026年8月6日更新) https://cactas.co.jp/knowledge/youtube-ads-cost-guide/
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※2026年10月時点の情報です。


