NEWS / 2026.10.18

動画制作の費用相場|調査データと実際の契約額で見る目安と見積もりの比べ方【用途別早見表付】

更新日:2026年10月27日|ZiiiRA編集部

その金額、信じていい?動画制作の費用相場は内訳で比べる。納得して頼める

動画制作の費用を調べると、「数万円から」「数百万円」と幅が広すぎて、結局いくら用意すればいいのか分からなくなりますよね。でも、この幅は気まぐれに決まっているわけではなく、どこまで作り込むかでほぼ説明できるんです。

上司に「で、いくらかかるの?」と聞かれて、言葉に詰まってしまった……そんな経験に心当たりはないでしょうか。

この記事では、動画制作の費用を作り込みの4つの段階に分けてお伝えします。そのうえで、用途別の目安、見積もりの金額がどう積み上がるかの例、実際に公開されている自治体の発注額、費用を抑える方法と見積もりの比べ方まで紹介しますね。

先に答え

費用は、作り込みの段階で決まります。

動画制作の費用は、手持ちの素材を編集するだけなら数万〜30万円、撮影1日のシンプルな動画なら30万〜100万円、企画から作り込む動画なら100万〜300万円、広告やCM向けなら300万円以上がひとつの目安です。金額を大きく動かすのは動画の長さよりも、動く人の数と日数なので、見積もりはそこを見て比べると判断しやすくなります。

この記事のポイント

  • 動画制作の費用相場を、作り込みの4段階でつかむ方法
  • 会社紹介・採用・商品紹介など、用途別の費用の目安
  • 見積もりの金額がどう積み上がるか(説明用の例つき)
  • 自治体が公開している動画制作の発注額と中身
  • 品質を落とさずに費用を抑える方法と、見積もりの比べ方

こんな人向け

会社紹介や採用、商品紹介の動画を外注しようとしていて、予算の目安を知りたい広報・人事・営業企画の担当者の方に向けて書いています。

動画の種類の選び方や、発注から納品までの流れを先に知りたい方は、→ 企業の動画制作ガイド を読んでみてください。

1.動画制作の費用相場は? まず「作り込みの4段階」で考える

結論

相場は、作り込みの段階で見ます。

動画制作の費用相場とは、同じくらいの手間で作られた動画が、だいたいいくらで発注されているかの目安のことです。手間の大きさは、作り込みの4つの段階に分けると見当がつきます。

「1本いくら」と決まった値段があるわけではないので、まずは自社の動画がどの段階に近いかを考えてみましょう。

薄い見積書と厚い見積書を机に並べ、どちらが妥当か考えている担当者
段階 どんな作り方か 費用の目安(税別・1本)
段階1:撮影なし 手持ちの映像・写真・画面の録画を編集し、文字や音楽を入れる 数万〜30万円
段階2:撮影1日・シンプル 社内で1日撮影し、インタビューや紹介を短くまとめる 30万〜100万円
段階3:企画から作り込む 台本づくり、複数日や複数か所の撮影、ナレーション、出演者の手配まで含む 100万〜300万円
段階4:広告・CM向け 役者やスタジオ、大人数のスタッフで、細部まで作り込む 300万円以上

この表は、作り方ごとの一般的な目安です。実際にいくらで発注されているかは、この章の最後で調査データとあわせて紹介します。

段階が上がるほど、動く人と日数が増える

段階が1つ上がるたびに、企画を考える人、撮影する人、編集する人がかける時間が増えていきます。金額の差は、ほとんどがこの「人と時間」の差なんです。

アニメーションは段階2〜3の幅に入ることが多い

撮影をしないアニメーションの動画も、絵をどれだけ描き起こすか、動きをどれだけ細かくつけるかで金額が変わります。図や文字を動かすシンプルな説明動画なら段階2、キャラクターや場面を一から描くなら段階3の幅に入ることが多いでしょう。

「とりあえず一番いいものを」と考えると、旅行の計画でいきなりスイートルームを予約するようなことになりがちです。動画の目的に対して、どの段階が必要十分かを先に決めておくと、見積もりを見たときに迷いにくくなりますよ。

調査で見る、1本あたりの実際の発注額

上の4段階は目安なので、実際の発注額を調べた3つの調査とも照らし合わせてみましょう。価格帯の区切りは調査ごとに少しずつ違うため、近い区切りにそろえて並べています。

1本あたりの発注額 比較ビズ×Funusual(2025年・動画を活用している企業148人) 動画幹事(2022年1月〜2023年12月・成約197件) Lumii(動画を外注したBtoB企業のマーケティング担当110人)
〜10万円 15.5% 6.12% 6.4%
10万〜30万円 33.1%(11万〜30万円) 23.47% 16.4%
30万〜50万円 31.1%(31万〜50万円) 26.53% 15.5%
50万〜100万円 11.5%(51万〜100万円) 27.55% 15.5%
100万円以上 4.1%(101万円〜) 16.33% 28.2%
わからない 4.7% ― 18.2%

比較ビズの調査では、11万〜50万円の回答が合わせて64.2%でした。動画幹事が集計した197件の発注では、平均が81.5万円、中央値が54.0万円で、いちばん多かった種類は商品・サービス紹介の動画(38.78%)です。

一方で、BtoB企業のマーケティング担当に絞ったLumiiの調査では、100万円以上が28.2%ありました。中心は段階2(30万〜100万円)の前後にありつつ、用途と作り込みしだいで段階3以上にも広がる、ということが数字からも見えてきますね。

出典:比較ビズ×Funusual「動画制作の費用に関する調査」(PR TIMES、2025年3月31日)/動画幹事「動画制作の発注実態調査」(PR TIMES、2024年5月30日)/Lumii「BtoB企業の動画制作外注に関する調査」

2.用途別に見る動画制作の費用の目安

結論

用途で、費用の傾向は決まります。

用途ごとに必要な撮影や編集の量がだいたい決まっているので、費用の目安にもある程度の傾向があります。

ここでは、企業がよく作る動画の用途ごとに、よくある作り方と費用の目安を早見表にまとめました。

用途 よくある作り方 費用の目安(税別・1本) 金額が上がりやすい条件
会社紹介・事業紹介 社内での撮影、社員のインタビュー、ナレーション 30万〜200万円 拠点が複数ある、空からの撮影を入れる、英語版も作る
採用 社員数名のインタビューと、職場の様子の撮影 30万〜200万円 出演する社員が多い、撮影場所が多い
商品・サービス紹介 実物を使った説明の撮影、または図を動かすアニメーション 30万〜150万円 アニメーションの量が多い、撮影用の小物やセットが要る
研修・マニュアル パソコン画面の録画や手元の撮影に、文字の説明を重ねる 10万〜80万円 ドラマ仕立てにする、本数が多い
展示会・店頭のモニター用 音がなくても伝わる短い映像を、繰り返し流せる形にする 20万〜100万円 大きな画面や縦長の画面に合わせて作り直す
セミナー・イベントの撮影 カメラ数台で撮影し、簡単に編集する 10万〜50万円 カメラの台数が多い、当日にネットで同時配信する
YouTube向け(1本ずつ) 撮影と編集。編集だけを頼むことも多い 5万〜30万円 企画や台本づくりも頼む、凝った編集にする

ポイント

金額はいずれも、税別・1本あたりの一般的な目安です。同じ用途でも、第1章の段階によって大きく変わります。

表の金額は「その用途でよくある段階」の幅

たとえば採用動画でも、社員がスマートフォンで撮った映像を編集するだけなら段階1、プロが1日撮影すれば段階2、ドラマ仕立てで複数の職場を回れば段階3になります。表の金額は、用途ごとに選ばれやすい段階の幅だと考えてください。

採用動画に1本あたりどのくらいの予算がかけられているかの調査と、作り方別の比べ方は、採用動画の効果と作り方にまとめています。

SNS用の縦型のショート動画を頼む場合の1本の相場と、月の本数による予算の組み方は、ショート動画制作の相場と依頼先の選び方で解説しています。

YouTubeに毎週動画を出したい場合は、1本ずつ頼むより、月額で運用ごと任せるほうが合うこともあります。月額の目安は → YouTube運用代行の費用と選び方 で解説していますので、あわせて見てみてください。

3.見積もりの金額は、どうやって積み上がる?

結論

金額は、人と道具の足し算です。

見積もりの金額は、「何人が何日動くか」と「何を使うか」の足し算でできています。

見積書を初めて見ると、項目が多くて戸惑いますよね。でも、ひとつずつ見ていくと、どの項目も「人の時間」か「使う物や権利」のどちらかに分けられるんです。

社内の一角で、カメラマンと音声スタッフの2人が社員のインタビューを1日で撮影している様子

説明用の例:会社紹介動画(3分・社内撮影1日・ナレーションあり)

次の表は、仕組みを説明するための架空の例です。実際の金額は会社や条件によって変わります。

項目 中身 金額の例(税別)
企画・構成・台本 打ち合わせ、動画の流れの案、台本 15万円
撮影 カメラマン、助手、カメラ・照明・マイクを1日 20万円
編集 映像のつなぎ、文字入れ、色の調整 20万円
ナレーション ナレーターの収録 5万円
音楽 使用料を払って使う音楽 2万円
進行管理 スケジュール管理、完成前のチェック、納品 15万円
諸経費 交通費など 3万円
合計 80万円

この例で、人の時間にあたるのは企画、撮影、編集、進行管理で、合計の8割を超えています。撮影がもう1日増えれば撮影の項目がほぼ倍になり、編集の量も増えるので、合計は一気に上がります。

「進行管理」は削りにくい項目

見積書の中で、進行管理やディレクションの費用は「何に使うのか分かりにくい」と思われがちですよね。ただ、制作会社と社内の間に立って、日程を調整したり、完成前のチェックをまとめたりする役なので、ここを削ると社内の担当者の手間が増えてしまいます。

ZiiiRAが見積もりの相談を受けるときも、まずは「誰が、何日動く前提の金額なのか」を一緒に確かめるところから始めます。項目の名前を見比べるより、その中身を聞いたほうが、ずっと話が早いですよ。

見積書に出てくる項目の意味や、確かめたいことの一覧は → YouTube動画制作会社の選び方 の「見積もりの読み方」でも整理しています。

4.金額が上下する5つの条件

結論

費用は、5つの条件で動きます。

費用を大きく動かすのは、「撮影の日数と場所」「出演者」「ナレーションと字幕」「アニメーションや図の量」「使い回しの範囲」の5つです。

動画の長さが2倍になっても、費用が2倍になるとは限りません。それよりも、次の5つの条件のほうが金額に強く効いてきます。

防音の録音ブースで、ナレーターがマイクに向かって台本を読み、ガラス越しに音響スタッフが収録している様子

条件1:撮影の日数と場所

撮影が1日増えると、スタッフと機材がもう1日分必要になります。場所が増えるたびに移動と準備の時間もかかるので、撮影場所を1か所にまとめられるかどうかは大きな分かれ目です。

条件2:出演者

社員が出演するなら出演料はかかりませんが、役者やモデルに頼むと出演料が加わります。さらに、広告に使う期間が長いほど、その分の使用料が上がることもあるので注意しましょう。

条件3:ナレーションと字幕

プロのナレーターに頼むと、収録の費用がかかります。音を出せない場所で見られることを考えて字幕をつける場合や、英語など別の言葉の版を作る場合も、その分の作業が増えますよ。

条件4:アニメーションや図の量

図や文字を動かすだけのシンプルな表現と、場面を一から描き起こす表現とでは、かかる時間がまったく違います。同じ3分でも、絵の量によって金額が何倍も変わることがあるんです。

条件5:使い回しの範囲

完成した動画を、ウェブサイトだけで使うのか、広告や展示会、海外向けにも使うのかで、音楽や出演者の使用料が変わる場合があります。あとから「広告にも使いたい」となると追加の費用がかかることもあるので、使う場所は最初に伝えておきましょう。

5つの条件を全部「おまかせ」にすると、見積もりを出す側も一番安全な、つまり高めの前提で計算しがちです。条件を先に決めておくほど、見積もりの金額はぶれにくくなります。

見積もりのぶれを、発注前に小さくしたい方へ

金額が動く条件が見えてきたら、次は自社の条件を紙に書き出しておくと、見積もりが比べやすくなりますよ。発注前に何を決めて何を確かめるかをまとめた無料資料「動画制作 発注前チェックリスト」(全27ページ)を、資料のページで公開しています。

  • 目的や長さ、撮影の条件を書き込んで、そのまま依頼先に渡せる要件シート
  • 届いた見積もりを同じ条件で横に並べられる比較シート

5.実例:自治体が公開している動画制作の発注額

結論

公募では、税込150万〜270万円が目安です。

自治体の公募では、動画の中身と上限額がセットで公開されていて、本編と短い版をまとめて作る発注などで、税込およそ150万〜270万円の上限が置かれています。

企業どうしの取引では、実際の金額はほとんど表に出てきません。その点、自治体が制作会社を募集するときは、作る動画の中身と金額の上限が公開されるので、相場を確かめる手がかりになります。ここでは3つの例を、各自治体の公開資料から紹介しますね。

明るい庁舎のロビーで、若い職員が採用動画のインタビューを撮影されている様子

実例1|仙台市:職員採用のPR動画(本編7〜8分+15秒版)

仙台市は2026年度の職員採用PR動画の制作を、公募で募集しました。

インタビューの人数、字幕、広告用の短い版、権利の扱いまでが細かく書かれているので、「この中身でこの金額」という物差しとして読めるのではないでしょうか。

実例2|宮城県:行政の取り組みを紹介するPR動画(本編15分+縦型5本)

宮城県は2026年度、県の原子力安全対策の取り組みを紹介するPR動画の制作を募集しました。

長い本編を1本作り、その中身を短く切り分けて縦型の動画にする形です。同じ取材や撮影から何本も作れるので、1本あたりの費用を抑えやすい頼み方ではないでしょうか。

実例3|高松市:まちの魅力を伝える広報動画(すべての費用込み)

高松市は2025年度の広報動画の制作を、提案公募で募集しました。

  • 上限額:1,479,500円(税込)。制作費、使用料、出演料、交通費、謝礼など、制作にかかる一切の費用を含んだ金額です
  • 見積もりの出し方:総額を書いた見積書に加えて、項目・仕様・数量・金額が分かる内訳書の提出を求めています
  • 選び方:審査は100点満点で、企画の提案力が60点、構成の力が25点、制作の実績や体制が10点、提案価格が5点でした
  • 出典:高松市「令和7年度高松市広報動画制作業務」提案公募 募集要領

金額の上限を先に決めたうえで、その中で一番よい企画を選ぶやり方です。価格の配点が小さいのは、上限の中なら安さより中身で選ぶ、という考え方の表れでしょう。

3つの例から分かること

どの例も、企画から撮影、編集までをまとめて頼む内容で、仙台市と宮城県は短い版も一緒に作る形です。第1章でいえば段階3にあたり、上限額が税込およそ150万〜270万円に収まっているのは、相場の目安とも重なりますね。

ただし、どれも上限額であって、実際の契約金額ではありません。自治体の仕事は提案書やプレゼンなどの手間も含まれるので、企業の発注とまったく同じ金額になるわけではない点も覚えておいてください。

上限額だけでなく、実際に契約した金額も見ておきましょう。次の3つは、契約や入札の結果として公開された確定の金額です。

実際に契約した金額の例

ここで紹介するのは、上限額ではなく、契約額や落札額です。1本あたりの相場を示す表ではなく、「どんな中身の業務が、いくらで契約されたか」の実例として読んでください。

発注元 業務の内容 契約・落札の金額 決め方
福島県郡山市 猪苗代湖のラムサール条約登録に伴うPR動画等の制作(令和7年7月16日入札) 契約額 1,045,000円(税込) 入札(5者が参加)
佐賀県唐津市(ボートレース企業局) ボートレーサーを起用したPR動画を制作し、公式YouTubeで配信(令和7年10月23日契約) 契約額 6,512,000円(税込)。本数は公開ページに記載がありません 企画提案で選んだ会社との随意契約
東京都港区 広報動画制作業務委託(令和7年4月25日〜令和8年3月31日) 落札額 8,789,000円。※約1年分の業務(本数はページに記載なし)の金額で、1本あたりの金額ではありません 制限付一般競争入札(2社が入札、1社は辞退)

同じ自治体のPR動画でも、約100万円から約880万円まで差があります。何本作るのか、どのくらいの期間お願いするのか、出演者を起用するのかで、契約の金額が大きく変わることが分かりますね。

出典:郡山市「入札結果(猪苗代湖のラムサール条約登録に伴うPR動画等制作業務)」/唐津市「ボートレースからつPR動画制作業務」随意契約による締結結果/港区「広報動画制作業務委託」入札結果

6.依頼先で費用はどう変わる? フリーランス・制作会社・広告代理店

結論

差は、関わる人の数で生まれます。

同じ動画でも、フリーランスは安め、制作会社は中くらい、広告代理店は高めになりやすく、その差は「関わる人の数」と「任せられる範囲」の差です。

どこに頼むかで金額が変わるのは、値段の付け方がずるいからではありません。関わる人の数と、どこまで面倒を見てくれるかが違うからです。

外部の映像ディレクターが手描きの絵コンテを見せながら、企業の担当者と動画の流れを打ち合わせている様子

フリーランス(個人)

1人、または少人数の仲間と組んで作るので、人件費が少なく、同じ内容なら費用は安めになりやすいでしょう。編集だけ、撮影だけといった一部の作業を頼むのにも向いています。その代わり、企画や進行を社内でまとめる必要が出てくることが多いですね。

動画制作会社

企画、撮影、編集、進行管理を、役割の違う人がチームで受け持ちます。費用はフリーランスより上がりますが、社内に動画に詳しい人がいなくても進めやすいのが強みです。

広告代理店

動画を作るだけでなく、テレビやウェブへの広告の出し方まで含めて考えてくれます。実際の制作は制作会社に頼む形も多く、その分の管理の費用が加わるので、金額は高めになりやすいでしょう。広告として大きく配信する予定があるときに向いています。

YouTube向けの動画で、制作会社のタイプの違いや比べる基準を詳しく知りたい方は、第3章で紹介した制作会社の選び方の記事を参考にしてみてください。

7.品質を落とさずに費用を抑える5つの方法

結論

抑えるコツは、先に社内で済ませることです。

費用を抑えるコツは、制作会社の作業を減らすことではなく、社内で決められることと用意できることを先に済ませておくことです。

安くしたいからといって、編集の手間や完成前のチェックを削ると、仕上がりに響いてしまいます。それよりも、次の5つを試してみてください。

工場の作業台で、社員がジンバル付きのスマートフォンを使って自社の製品を撮影している様子

方法1:目的と見る人を1つに絞る

「採用にも営業にも使える動画を」と欲張ると、撮るものが増えて、撮影も編集も長くなります。誰に見てもらって、見たあとに何をしてほしいのかを1つに決めるだけで、必要な撮影はぐっと減りますよ。

方法2:撮影を1日・1か所にまとめる

撮影の日数と場所は、金額に最も強く効く条件でした。インタビューも職場の様子も同じ日に撮れるよう、社内で段取りを組んでおきましょう。

方法3:手持ちの素材を集めておく

会社のロゴ、製品の写真、これまでに撮った映像、パソコン画面の録画など、社内にある素材は早めに集めて渡してください。社員がスマートフォンで撮った作業風景が、そのまま使えることもあります。

方法4:本編と短い版をまとめて頼む

宮城県や仙台市の例のように、長い本編と、広告や縦型向けの短い版を一緒に頼むと、同じ撮影から何本も作れます。あとから別々に頼むより、1本あたりの費用は下がりやすいでしょう。

作った動画を広告として配信する場合の広告費や運用費の考え方は、YouTube広告の費用にまとめています。

方法5:完成前のチェックを社内で一本化する

完成前のチェックで、部署ごとにばらばらの意見が届くと、直しの回数が増えて追加の費用につながります。社内の意見は1人の担当者がまとめてから返す、と決めておくだけでも違いますよ。

「格安」をうたうサービスが合う場面もあります。決まった型に素材を当てはめる作り方なら費用はかなり抑えられますが、企画や撮影の自由は小さくなるので、何を任せられて何を任せられないかを確かめてから選びましょう。

8.見積もりを比べるときの3つの確かめ方

結論

比べる前に、条件をそろえます。

見積もりは合計の金額で比べるのではなく、「同じ条件か」「含まれていないものは何か」「追加の費用がかかるのはどんなときか」の3つをそろえてから比べましょう。

2社の見積もりが50万円と120万円だったとき、すぐに安いほうを選びたくなりますよね。でも、前提の条件が違えば、そもそも比べられないんです。

確かめ方1:同じ条件で出してもらう

動画の長さ、撮影の日数と場所、ナレーションや字幕の有無、納品する本数を、全社に同じ内容で伝えてから見積もりを頼んでください。条件がそろえば、金額の差がどこから来ているのかが見えてきます。

確かめ方2:含まれていないものを聞く

音楽の使用料、交通費、撮影場所の費用、短い版の作成などが、合計に含まれているかどうかは会社によって違います。「この金額に含まれていないものはありますか?」と一言聞いておくと安心ですよ。

確かめ方3:追加の費用がかかる条件を聞く

直しは何回まで含まれているのか、撮影が延びたらどうなるのか、あとから広告に使いたくなったらどうなるのかも、聞いておきましょう。高松市が内訳書を求めていたように、項目ごとの金額と条件を出してもらうと、比べやすくなります。

直しの回数の考え方や、権利の範囲の確かめ方は、→ 企業の動画制作ガイド の「費用は何にかかるか」でも解説しています。

9.その見積もりは高い?安い? 調査データとの比べ方

結論

まず、調査の価格帯のどこに入るかを見ます。

見積もりを受け取ったら、第1章で紹介した調査データのどの価格帯に入るかを確かめてみましょう。そのうえで、金額を押し上げている条件を聞いていくと、高いか安いかを判断しやすくなります。

1本50万円以下は、発注の半数以上が入る価格帯

比較ビズの調査では、1本50万円以下の回答が合わせて79.7%でした。成約した発注を集計した動画幹事のデータでも、50万円までの価格帯が合わせて56.1%を占めています。

撮影1日ほどのシンプルな動画で、見積もりがこの価格帯に収まっているなら、極端に高いわけではないと考えてよいでしょう。

100万円を超えるなら、撮影日数・出演者・本数を確認する

100万円以上の発注は、比較ビズの調査で4.1%、動画幹事のデータで16.33%、BtoB企業に絞ったLumiiの調査では28.2%でした。少なくはありませんが、多数派でもありません。

見積もりが100万円を超えたときは、第4章の5つの条件のうち、どれが金額を押し上げているのかを聞いてみてください。撮影の日数、出演者、作る本数のどれかが増えていることが多いはずです。

入札でも、提示額は社によって変わる

港区の広報動画の入札では、2社の入札額が7,990,000円と8,145,000円で、155,000円の差がありました。同じ仕様書を読んで出した金額でも、会社によって差が出るということです。

だからこそ、相見積もりを取るときは、内訳の項目をそろえてもらうことが大切です。どの項目で差がついているかが分かれば、金額の差にも納得しやすくなりますよ。

10.動画制作の費用でよくある質問

結論

疑問には、結論から答えます。

動画制作は1本いくらかかりますか?

一律の答えはありませんが、社内で1日撮影するシンプルな動画なら、30万〜100万円が中心になります。撮影なしで手持ちの素材を編集するだけなら数万〜30万円、企画から作り込むなら100万〜300万円が目安です。

動画制作の費用は1分いくらで決まりますか?

長さだけでは決まりません。1分でも3分でも、撮影の日数や出演者が同じなら、費用はそれほど変わらないことが多いでしょう。

長くなると編集やナレーションの作業は増えるので、その分は上がります。

動画制作にかかった費用は、何の費用として処理しますか?

使い道によって変わります。会社紹介や商品紹介のように宣伝に使う動画は広告宣伝費、社内の研修に使う動画は研修費として扱われることが多いようです。

金額が大きい場合の扱いも含めて、最終的には顧問の税理士に確認してください。

格安の動画制作サービスに頼んでも大丈夫ですか?

目的によっては十分に使えます。決まった型に素材を当てはめる作り方なので、社内向けの説明や、短いお知らせの動画には向いています。

一方で、会社の印象を左右する動画や、企画から一緒に考えてほしい動画には物足りないこともあるので、何が含まれるかを確かめてから選びましょう。

YouTubeに毎週動画を出したい場合も、1本ずつ見積もりを取りますか?

1本ずつ頼むこともできますが、毎週出すなら、企画から投稿までを月額でまとめて任せる形のほうが合うことが多いでしょう。

1本ずつ発注すると、そのたびに打ち合わせや確認が必要になるからです。

動画制作を外注している会社は、どのくらいありますか?

動画を活用している企業148人への調査では、一部を外注している会社が62.8%、すべて外注している会社が12.8%、すべて社内で作っている会社が21.6%でした。

合わせると、7割以上の会社が何らかの形で外注していることになります(比較ビズ×Funusual、2025年)。

まとめ:動画制作の費用は「作り込みの段階」と「条件」で決まる

結論

段階と条件をそろえてから比べます。

自社の動画がどの段階に近いかを決め、金額が上下する条件を先にそろえてから見積もりを取ると、提示された金額に納得して発注しやすくなります。

冒頭で、動画制作の費用の幅は、どこまで作り込むかでほぼ説明できるとお伝えしました。段階と条件が決まれば、見積もりの高い・安いも、自然に判断できるようになるはずですよ。

  • 費用の目安は、撮影なし数万〜30万円、撮影1日30万〜100万円、作り込み100万〜300万円、広告・CM向け300万円以上
  • 金額を動かすのは長さより、撮影の日数と場所、出演者、ナレーションと字幕、アニメーションの量、使い回しの範囲
  • 見積もりは、同じ条件・含まれないもの・追加の条件をそろえてから比べる

次の1アクション

第4章の5つの条件について、自社の動画ではどうしたいかを1行ずつ書き出してみてください。

その5行をそのまま制作会社に渡せば、ぶれの少ない見積もりが返ってきやすくなります。

金額の前に、会社そのものを比べる6つの物差しをそろえておきたい方は、動画制作会社の選び方もあわせてご覧ください。

無料資料:動画制作 発注前チェックリスト

発注の前に、何を決めて何を確かめておけばいいかを、順番に整理できる資料です。

  • 確かめておきたい24項目を、上から答えていけるチェックリストがついています
  • 決めた条件を書き込んで、そのまま依頼先に渡せる要件シートも使えます
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資料のページから、無料でダウンロードしていただけます。

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出典

  • 仙台市「【受託候補者を特定しました】「令和8年度仙台市職員採用PR動画制作業務」に係る公募型プロポーザルの実施について」(2026年3月27日更新) https://www.city.sendai.jp/ninyo/r8saiyouprdouga.html
  • 仙台市「令和8年度仙台市職員採用PR動画制作業務仕様書」 https://www.city.sendai.jp/ninyo/documents/03_r8prdouga_shiyousho.pdf
  • 宮城県「「令和8年度宮城県原子力行政PR動画作成業務」の企画提案を募集します」(2026年10月6日掲載) https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/prdouga.html
  • 高松市「令和7年度高松市広報動画制作業務 提案公募 募集要領」 https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/jigyosha/nyusatsu/sections/proposal/r7/result/propresult.files/2025kobo.pdf
  • 比較ビズ×Funusual「動画制作の費用に関する調査」(PR TIMES、2025年3月31日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000100813.html
  • 動画幹事「動画制作の発注実態調査」(PR TIMES、2024年5月30日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000016988.html
  • Lumii「BtoB企業の動画制作外注に関する調査」 https://lumii.co.jp/blog/btob-outsource-video-production-survey/
  • 郡山市「入札結果(猪苗代湖のラムサール条約登録に伴うPR動画等制作業務)」 https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/107292.pdf
  • 唐津市「【令和7年10月23日随意契約】ボートレースからつPR動画制作業務」 https://www.city.karatsu.lg.jp/site/nyusatsu/40268.html
  • 港区「広報動画制作業務委託」入札結果 http://www.city.minato.tokyo.jp/keiyaku/kuse/nyusatsu/mitsumori/2025/bupin/data/07-0030000132.html

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